あの者、ソウサク ページ9
和泉守も主と呼ぶ宣言をされ、驚きつつも彼が選んだのなら口は挟むまいと好きにさせることにした。
ふと昼時だと思い、彼らは食事はどうしているのだろうかと疑問に思った。
「貴方達、そろそろお昼だけど食事は？」
和泉守「前任の時はアイツだけだったぜ？」
加州「まぁ元々刀だしね…空腹は感じるけど、死にはしないから。」
「成る程わかった。今すぐ全員集めて。手入れもされない食事も与えないなんて、前任に少し殺意が湧くわ。」
和泉守「こえーよ、あんたが怒る事じゃねぇだろ。」
「もう私の家族も同然でしょ。怒って何が悪いの。」
「「「「……んん゛っ」」」」
「あ、綺麗。」
和泉守、大和守、堀川、加州が一斉に顔を背け咳払いすると何処からか桜の花びらが湧いた。
和泉は花びらに彼等の神気が含まれているのに気づき、くすくすと笑って舞う桜を救い上げた。
??「嬉しかったりすると何故か花が舞うんだ。…挨拶が遅れて悪い、薬研藤四郎だ。よろしく頼むぜ、大将？」
「薬研、ね。審神者の和泉、よろしく。」
薬研「食事の事だが……食材を手に入れようにもこんのすけが居なくてな。恐らく前任がどこかに閉じ込めてる。」
和泉は役人からナビゲート役の管狐がいると聞いていた。しかしこの本丸に来てからというもの、一度も姿を見ていなかったため何かあると思っていたのだった。
そう言われて本丸の気配を確認してみたが、それらしい者が僅かにしか感じられなかった。
「………………封印されているみたいね。漏れ出ている霊力がほとんどないから場所まではわからない。」
堀川「じゃあ探さないと。物資もだけど、こんのすけがいないと主さんの端末使えないし。」
「端末はあんまり使わないからいいんだけど。封印は解いてあげないとね。」
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作者名：時雨 | 作成日時：2019年8月30日 11時
