54話（番外編） ページ4
『うーん……』
お風呂から出て、いつの間にか置いてあった男性用であろう衣服を着て唸り声を上げた。
『…しょうがない！これでいこう！』
開き直りに近い気持ちで脱衣所から出ると、すぐワカに会った。
私の姿を見た瞬間、彼の半分以上開いていなかった目がこれでもかってくらい大きく開かれるが、気にせず早口で捲し立てる。
『お風呂も服もありがとう！もうこんな時間だし、私眠くなっちゃったからそこのソファで「おい待て」…はい』
まだワカと出会って1日も経っていないが、聞いたことの無い低い声を出されて思わず立ち止まった。
「…お前、下はどうした」
『は、履いてもずり落ちちゃって…』
予想はしていたけど、やっぱり聞かれた…。
今の私は、ワカから貰ったサイズの合わないシャツだけを着ていた。
もちろんズボンも貰ったのだが、如何せん歩を進める度に足首まで落ちるもんだから無理だった。
「履け、今すぐに」
明らかにイラついているワカに困惑しながらも、慌てて言い訳を並べる。
『で、でも私、この格好でも良いよ？全然気にしな』
そこまで言って、彼との距離がほんの数ミリ程度しかないことに気づいた。驚いて動くことも出来ない。
「なぁ」
お風呂に入り、毛先だけ少し濡れているであろう髪を指で梳かすように触れられ、彼の方を見る。
「気にしないってさ、それ、オレの気持ちも入ってんのかよ」
見上げた顔には先程のような少年然とした表情は無く、獲物を狙っている獣のような目をしていて、足がすくんだ。
子供扱いされてるだなんて、今思えば間違いだったのかもしれない。
『ワ、カ…？』
震えた声で名前を呼ぶと、ピクリと彼の手が動いた。
そして深い深いため息をついた後、手を離される。
「…ヤニ吸ってくる」
もうワカはいつも通りに戻っていて、私だけがまだ状況を飲み込めておらず1人部屋の中で頭を抱えた。
びっくりしたし、怖かった。
私を追いかけてきた男の人達と同じ様な目が。
でも、なんでだろう。
何故かあのまま…やめて欲しくなかった自分がいる。
…変だ。
ポスッと弾力のあるソファに寝転ぶ。
私、どうしちゃったんだろう…？
悶々と考えている間に、気付けば寝落ちてしまっていた。
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まつゆ - カビキラー@otakuさん» すごく面白いです！春千夜と先に出会って夢主への反応すごくよかったです！！それから皆との絡み素敵です。夢主が愛されまくるの大好きです！もっと皆とイチャ絡んでほしいです！！更新応援してます！ (2023年1月27日 21時) (
レス) @page30 id: 20512135de (このIDを非表示/違反報告)
れな(プロフ) - 最高です文才天才すぎです、、とても好きです、、更新してもらえると嬉しいです！！完結までついていかせてください！！ (2023年1月27日 6時) (レス) id: 5c55cc0d78 (このIDを非表示/違反報告)
カビキラー@otaku(プロフ) - 白河青蓮さん» んんん青蓮ちゃん全部読んだのね？！お恥ずかしや…でもありがとー！ココは本当に推し活してるオタクですw (2022年7月31日 15時) (レス) id: edf3a1c316 (このIDを非表示/違反報告)
白河青蓮(プロフ) - ( ´ཫ` )ｸﾞﾊｧ。個人的にココがとても可愛い…ただのオタクは草。 (2022年7月31日 15時) (レス) @page19 id: 4fa5549a06 (このIDを非表示/違反報告)
カビキラー@otaku(プロフ) - 華月さん» コメントありがとうございます！褒めちぎって下さってとても嬉しいです！続き書きました！今後もめちゃくちゃ不定期ですか、更新する予定なので見て下さると嬉しいです！ (2022年7月28日 6時) (レス) @page17 id: edf3a1c316 (このIDを非表示/違反報告)
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