私は悪役女王 ページ9
そして執事はある場所に着くとペコっと頭を下げた。
「連れてきました。お嬢様」
『あら、随分早い』
中也は目線を上にあげた。
そしてピョンピョンと降りてくる人影を見た。
『お疲れ様だわ。執事。下がっていいよ』
「はい。お嬢様」
私がそう言うと執事は人質を連れて奥に行った。
立ち去ったのを確認すると、私は口を開けた。
『こんにちは、ポートマフィアの中原中也』
「手前、何故俺の事知ってる。ここらの奴には俺の事知らねェが?」
彼は不思議そうにそう言った。
そりゃそうだ。
私のお父様はロクにポートマフィアを調べずに襲っている。
雇われた者もお父様も娘の私も、興味が無いため、知っているはずがない。
『貴方のインカム、繋がってるのは誰ですか?』
「言うわけねェだろ」
『……まぁいいです。知ってるし』
(どーせ、太宰さんでしょ)
ん"ん"っ…と咳払いをし、私は中也を見た。
ニコッと笑い、私は異能力を使って中也の心を操作した。
「っ!?」
『中原さん。近くで見ても美男ですね。羨ましいです』
「は、はぁ!?」
中也は自分の気持ちに異変に気づいた。
こんな異様なタイミングでも心は急に変わる。
彼は胸を触っており、目は驚いている。
__異能が効いている。
『ねぇ、中也。お願いがあるの』
私はそう言って中也の手を両手で握った。
上目遣いでじーっと見つめあった。
『私と手を組まない?』
彼にとって意外な言葉に大きく動揺していた。
そして変に揺れ動く心にも驚いているのか、ずっと私をガン見だ。
そのまま、手を胸元に寄せた。
『私はこの戦いを終わらせたい。こんな意味の無い戦い必要ない。そう思わない?』
「お、思うが……」
彼は目線を逸らして言った。
しかし、無理やり目を合わせて青い瞳を覗き込み続けた。
__本心を伝えながら、精神を揺らし続ける。
不安定になれば思考も乱れ、判断が鈍る。
『手伝って欲しい。貴方の立場は取らない。
ただ一つだけして欲しいの』
本題に私は入った。
私はこの戦争の目的を知っている。
『私の父。この戦いの本人を殺して』
全ては此奴からだ。
ちゃんとした作戦でも無いし、相手が悪すぎる。
森さんに双黒…勝てる見込みなんて無かった。
(そして私は執事と此処を離れたい。文ストのキャラも興味あるけど、それより寿命を全うしたい!
…お願いっ)
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
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作者名:しぐまざん(シグマ) | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp//
作成日時:2020年6月26日 1時