どうしろって言うんだ ページ3
「……返事はどうしたんだ」
「保留中。……Aは、いい友だちだから」
そう言った寧々の声音には、今まで聞いたことのないような切実さが滲んでいた。
……なんだ、これは。どういう状況なんだ。
頭の中でぐるぐると思考が回るばかりで、一向にまとまらない。
「……Aは、寧々のことが好きなのか」
「そう、いうこと」
そこで会話が途切れる。
寧々は俯いたままで表情が見えず、オレも何を言えばいいのか分からずに押し黙っていた。
「……だから」
沈黙を破ったのは寧々だった。
互いに顔を合わせることなく、独り言のように呟く。
「Aのこと、司に頼みたいって思った」
まだ少し迷いが滲む声で、それでもはっきりと口にした。
「譲るとか、そういうわけじゃなくて――わたしじゃあの子の気持ちには応えられないから」
「……」
「だから、アンタがAをオトせば、Aもわたしのこと、忘れられるでしょ……そうすればみんな、幸せになれる」
「お前はそれでいいのか」
思わず口から滑り出た言葉は、自分にとっても意外なものだった。
自分で自分の発言の意味を掴みかねている間に、寧々はこちらに背を向けいつも通りの口調で言う。
「わたしから振って気まずくなるの、嫌だし。司がうまくやってくれるなら、それが一番いいと思う」
「……そう、か」
それ以上は何も言わずに、寧々は先に帰って行った。
一人残され、オレはまだ混乱している頭を整理するように目を瞑った。
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あきいろ(プロフ) - 通りすがりの司推しの豆腐さん» ありがてえです！！！！！(^0^) 閲覧およびコメントありがとうございました！ (2022年9月3日 6時) (
レス) id: 1e0caf27cc (このIDを非表示/違反報告)
通りすがりの司推しの豆腐 - ( * ˘ཀ˘)てぇてぇ (2022年9月3日 0時) (レス) @page16 id: 5db5b5f2f6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あきいろ | 作成日時：2022年6月29日 22時
