新しい恋を始めよう。 ページ15
「寧々と……いや、寧々にキス、したのか？」
無言のままの彼女に焦りを覚え、思わず口を開く。
「別に怒ってるわけじゃなくてだな……」
「しましたよ」
オレが言い終わる前に、Aがキッパリと答えた。
やはりそういうことか……と落胆しながらも、「どうして」という疑問が浮かぶ。
「私がしたかったから」
「したかったからって、おま……！」
「でも結局、私の初恋は終わった。『アンタにはもっと他に行くべきところがある』って言われちゃいました」
Aは悲しげに笑うと、ゆっくりと息を吐いた。
「……先輩、もう一回言います。――キスしてもいいですよ」
「……どういうつもりだ？」
「いいから。ほら早く」
急かすようにAの顔が迫ってくる。
この状況で断れるほど、オレは強くなかった。
Aの肩に手を置き、そっと唇を重ねる。
柔らかくて、甘い匂いのするそれにくらりと眩惑されそうになる。
「……ねえ先輩。私、先輩のこともっと好きになりたい」
離れた瞬間に囁かれた一言に、心臓が大きく跳ねた。
「先輩も、私のこともっと好きになってくださいね」
「……当たり前だ！」
愛しの彼女がようやくこちらを向いてくれたのだ、もう離すものか。そう思ってぎゅうと抱きしめると、彼女もまた応えるように抱きついてくる。
ずっとこの時間が続けば良いのに、なんて将来性に満ち溢れたオレらしからぬことを考えながら、しばらくの間互いの体温を感じていた。
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あきいろ(プロフ) - 通りすがりの司推しの豆腐さん» ありがてえです！！！！！(^0^) 閲覧およびコメントありがとうございました！ (2022年9月3日 6時) (
レス) id: 1e0caf27cc (このIDを非表示/違反報告)
通りすがりの司推しの豆腐 - ( * ˘ཀ˘)てぇてぇ (2022年9月3日 0時) (レス) @page16 id: 5db5b5f2f6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あきいろ | 作成日時：2022年6月29日 22時
