告白と嫉妬心 ページ14
「いつまでもぐずぐずしてられないなって。好きだった人にも、背中押してもらっちゃって」
聞いていると、寧々の協力があったようだ。となれば、さっきのは間違いなくAと寧々の二人だったということになる。
しかし、まだ腑に落ちない。背中を押されるどころか、Aは寧々を壁際まで追い詰めているように見えた。
「先輩はスゴいです。言ってたこと、本当に実現しちゃうんだから」
照れくさそうにはにかみながら、彼女は続ける。
「……先輩は私のこと、まだ好きですか？」
そんなずるすぎる質問のせいで、今の今まで頭の中を占めていた複雑な感情など吹き飛んでしまった。
そんなの、答えなんて決まっている。
Aが欲しい言葉を、オレは既に知っている。
「好きだ。付き合ってくれ」
Aはふわりと微笑むと、はいと言ってオレの手を取った。
「私からも、よろしくお願いします」
その手を引いて、腕の中に閉じ込める。
抱きしめた身体は思ったよりも小さく華奢で、力加減を間違えたら壊してしまいそうだと思った。
「先輩……」
見上げるようにしてこちらを見る彼女の目を見て、一度は鎮まったはずの嫉妬心が蘇ってくるのを感じる。
「――さっき寧々と、何をしてた？」
「……見てたんですね」
彼女は一瞬目を丸くした後、気まずそうに視線を泳がせた。
何か言い訳でも考えているのかと思いきや、次に出てきた言葉は全く予想外のものだった。
「先輩、キスしてもいいですよ」
「なっ……！？」
あまりにも唐突な申し出に、今度はオレが動揺する番だった。
「どうぞ」と言わんばかりにAが目を閉じる。オレがAに聞いたのは、『寧々と何をしていたか』で、彼女のそれは答えになっているように思えない。
――あるいは、これが答えなのか？
「……正直に答えてくれ」
「えっ？」
オレの言葉を聞いてぱちりと開いた瞳は、不安げに揺れていた。
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あきいろ(プロフ) - 通りすがりの司推しの豆腐さん» ありがてえです！！！！！(^0^) 閲覧およびコメントありがとうございました！ (2022年9月3日 6時) (
レス) id: 1e0caf27cc (このIDを非表示/違反報告)
通りすがりの司推しの豆腐 - ( * ˘ཀ˘)てぇてぇ (2022年9月3日 0時) (レス) @page16 id: 5db5b5f2f6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あきいろ | 作成日時：2022年6月29日 22時
