見間違いであってくれ ページ12
ある時、視界の端にどこかへ向かおうとするAの姿を捉えたので、声を掛けようと追いかけた。
「A……」
しかし、声が届く前に彼女は曲がり角を曲がってしまい、見失ってしまった。だがここで見かけたのも何かの縁だと思って、そのまま彼女を追っていくことにする。
今回はどのようにしてアプローチをかけようかと考えながら歩いていると、Aの後ろ姿が目に入った。
この先は行き止まりで、しかも人の気もない。いったい何の用が……と首を傾げた時、気づいてしまった。
彼女が、顔が触れてしまいそうなくらいまで寧々を壁際に追い詰めていたことに。
無意識的に死角になっている場所へ走り、壁を背にして心音を抑え込む。
きっと何かの間違いだ、そもそも別人と見間違えたんだろうと自分に言い聞かせるが、嫌な予感は拭えない。
「っ、――Aー！ どこだー！？」
苦し紛れに、そう叫びながら元来た道を引き返す。
なるべく遠く離れるために早足で。
もういいだろうというところで立ち止まると、はーっと大きくため息をついた。
どうして逃げてきてしまったんだ、オレは。
あんなの、取り返しのつかない事態になったっておかしくないはずだ。
いくらオレが想いを伝えても、彼女が心を寄せているのは寧々ということに変わりはない。
そんなことは痛いくらいわかっているが、もし――オレの想いがAにしっかり届いていたならば。期待してしまう気持ちは止められなかった。
「……男らしく、ないな」
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あきいろ(プロフ) - 通りすがりの司推しの豆腐さん» ありがてえです！！！！！(^0^) 閲覧およびコメントありがとうございました！ (2022年9月3日 6時) (
レス) id: 1e0caf27cc (このIDを非表示/違反報告)
通りすがりの司推しの豆腐 - ( * ˘ཀ˘)てぇてぇ (2022年9月3日 0時) (レス) @page16 id: 5db5b5f2f6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あきいろ | 作成日時：2022年6月29日 22時
