Ｓ ページ34
＿＿＿＿＿
「ああ、慣れたら意外とそうでもないぞ。姫野もやってみるか？」
「いや、私はいい。」
風丸はすっかりザリガニの扱いに慣れていて、片手で掴んだそれを紫音に近付けた。
ザリガニは虫ではないが、紫音は虫や動物園にいないような生き物は苦手である。
ハサミでつままれたくないのと、あまり直視したくないのとで特訓の誘いを拒否した。
しかしマゾ扱いされたのがよほど逆鱗に触れたのか、風丸は引き下がらなかった。
トン、と紫音の背後の壁に手を添えて、ザリガニを更にこちらへ持ってくる。
「な、何？ザリガニも君も近いんだけど。」
普段 壁ドンなんてするキャラじゃなかったはずだ。これもこれでファンが騒ぐ。
(全っ然マゾじゃない！寧ろサドだ、Ｓだ。)
涼しい顔してとんでもないことをしでかしてくれる。
「観念しろ。」
「嫌。」
こんなのに鼻でも挟まれたら絶対に痛い。
何とか回避したい紫音は、吹雪に目で助けを求めた。
こっちはザリガニに迫られているというのに、吹雪は呑気におでんをよそっていた。
「まぁ風丸君、紫音ちゃんのちょっとした間違いなんだから、それぐらいにしてあげたら？」
吹雪士郎ナイス！と紫音は心の中で吹雪を賞賛し、何度も頷いた。
「吹雪はそれでいいのか？」
「僕はそれぐらいで怒らないよ。紫音ちゃん、おでん食べるかい？」
「あ、食べる。」
風丸と対称に、吹雪は温厚そうに見えた。
こちらの誘いには真っ先に乗って、紫音はするりとザリガニ攻めから脱した。
「ごめんね、箸を余分に持ってきてなかったんだ。だからこのまま。」
「はい」と箸で差し出されたのは ちくわだった。
そんなに大きくもなかったので、ぱくっと一口で頬張る。
口に入れる瞬間、ずっとにこにこ微笑んでいる吹雪の笑顔が一瞬怖く見えた。
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ツナ(プロフ) - ルカ☆さん» (続き)台本書きは控えています。一章は名前を入れていましたが納得いかず、今手直しをしているところです。ともあれ、読みづらい思いをさせてしまってすみません。表現を変えたり口調をハッキリさせたりと工夫はしていくつもりです。ご希望に添えなくてごめんなさい。 (2020年11月28日 1時) (
レス) id: 6ab8a556b3 (このIDを非表示/違反報告)
ツナ(プロフ) - ルカ☆さん» 返信遅れてごめんなさい、ご意見ありがとうございます！台本書きのことでしょうか？これは私事ですが、作品を作り始めた理由の１つに文章の練習という目的があります。台本書きにするとやはり書くのが簡単になってしまい、より一般の小説に近付けるために(続きます) (2020年11月28日 1時) (レス) id: 6ab8a556b3 (このIDを非表示/違反報告)
ルカ☆(プロフ) - ツナさんコメント失礼します出来たらでいいんですけどキャラが喋る時の最初にキャラの名前をつけて欲しいんです少しだけ読みづらいので出来たらお願いします。これからも更新頑張ってください良ければ私の作品も見ていただけると嬉しいです (2020年11月13日 7時) (レス) id: 3f28176c24 (このIDを非表示/違反報告)
ツナ(プロフ) - わたぐもさん» 温かいコメントありがとうございます！更新頻度が落ちてしまって本当に本当にすみません...。文章は全然練習中なのですが、褒めていただいて嬉しいです！ (2020年10月18日 16時) (レス) id: 6ab8a556b3 (このIDを非表示/違反報告)
わたぐも(プロフ) - この小説の更新きてるとすっごく嬉しくなります！ツナさんの文章、すきです(*´-`*) (2020年10月18日 0時) (レス) id: 08072a37d8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ツナ | 作成日時：2020年8月31日 20時
