説明してあげる ページ6
＿＿＿＿＿
ウズベキスタンの選手達は致命的なダメージはないようで、何とか立ち上がった。
野坂達のせいでメンタルとプライドは先に音を上げ、ズタボロだが。
フラつきながらアナハンがドリブルで攻め上がる。
その不安定さは、軽く体を寄せただけでボールを奪えてしまいそうな程。
稲森は一気に突き放すチャンスだと身構えたが、野坂に制された。
「焦る必要はない。ここまで同様、監督の作戦を続けよう。」
「えっ？わかった。」
「僕達がやって来た作戦が効いてくる頃さ。さあ、仕上げといこう。」
日本の術中に嵌っているとも知らずに、キャプテンのアナハンはチームに指示を出す。
「全員速攻だ！必殺タクティクス『エターナルラン』！」
これは体力自慢のウズベキスタンが数人で突っ走り、追っ手を突き放す……と云う、シンプルに発動者の体力が求められるタクティクスだ。
いつもの彼らなら、『エターナルラン』の全員速攻作戦は上手くいっただろう。
しかし今日は様子が違った。
ほとんどの選手が鉛のように重い足を強制的に動かしているだけで、全くスピードに乗れていない。
「どういうことだ！？」と戸惑いながら走り続け、タクティクスは不発に終わった。
「まだ気付いてないのかい？君達は嵌ったんだよ、僕らの監督の策略に。」
「あの監督、ゲームやってふざけてるだけだと思ってると度肝抜かされるよ。」
野坂と紫音が、"わざわざ説明してあげた" と表すのが最適だろう、声色と表情で見下す。
ベンチでは横向きにしたスマホをポチポチいじりながら、監督が解説していた。
「バトンタッチリレーの要領で相手選手を交代でマークし、プレッシャーを与え続けていたのです。今日の彼らは、いつもの２倍以上走っている筈ですよ。」
ウズベキスタンのキャッチコピー『無限のスタミナ』がデマだったのにも驚いたが、
ベンチメンバーはゲームをしながらスラスラと解説をする監督の頭の回転の速さに返す言葉が見つからなかった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 170人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「イナズマイレブン」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ツナ(プロフ) - nmiyu0922さん» ホントですか…！二度もありがとうございます！更新ペース落ちてしまって申し訳ないです。もうすぐ続編いきますので！ (2020年6月21日 8時) (
レス) id: 04f33d8056 (このIDを非表示/違反報告)
nmiyu0922(プロフ) - あ゛ぁ゛〜、本当に好きです…。← (2020年6月21日 7時) (レス) id: 719e37fa2d (このIDを非表示/違反報告)
ツナ(プロフ) - nmiyu0922さん» ありがとうございます〜！嬉しいです、やる気湧いてきました。ご期待に添えるよう頑張ります。 (2020年6月13日 13時) (レス) id: 04f33d8056 (このIDを非表示/違反報告)
nmiyu0922(プロフ) - 本当に毎回面白いです！！！！更新頑張ってください！ (2020年6月13日 1時) (レス) id: 719e37fa2d (このIDを非表示/違反報告)
ツナ(プロフ) - アリスさん» こんばんは！閲読・コメントありがとうございます。姫野は私の好みを詰め込んで誕生した子です。性格も結構悩んだのでそう言って貰えて嬉しいです！更新頑張ります♪ (2020年5月19日 22時) (レス) id: 04f33d8056 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ツナ | 作成日時：2020年5月14日 19時
