口が上手い ページ44
＿＿＿＿＿
「………。」
楽譜をめくる度に、好きだった曲や昔弾いていた曲を発見して、見つける度にまた弾き始めてしまう。
ブランクもあって近頃は全然練習していなかったものの、１度全力で覚えたことは体に染み付いているようだ。
驚くぐらい集中力が続くし、調子も良い。
ところが、楽しんでいるのは紫音だけらしい。
欠伸混じりに、気怠そうな声が投げかけられる。
「紫音ちゃん……そろそろ１時間くらい経つんじゃない？帰らないと、明日は予定があるんでしょ？」
音楽室の壁際にワインレッドのソファがあり、ある程度大きさがあってフワフワで、座り心地は最高らしいのだが
その肘掛に ぐでー、と体重を預けて、眠そうにしているのは何だかんだ遅くまで付き合ってくれている吹雪。
「あ、そうだった。今何時？」
「もうすぐ９時半。」
「嘘？」
「嘘じゃないよ。僕の脳ももう寝てる。
紫音ちゃん、今日試合出てたのに疲れてないの？タフだね…。」
そういえば色々なことがありすぎて忘れていた。
いつもの試合の夜はすぐにベッドダイブして泥のように眠るが、今日は寧ろ目が冴えている気がする。
逆に退屈なのか聞き飽きたのか、試合はベンチだった筈の吹雪が瞼を閉じそうになっている。
散乱した楽譜を手早く片付けながら、紫音は「ごめん」と一言。
「でもそこで寝落ちしないでよ。叩いてでも起こすからね。」
いくらソファがベッド並にフワフワでも、寝られると紫音１人では運べないので困る。
「流石に歩けるよ。夜更かしも辛いなんて、僕も年かなぁ…。」
「何言ってんの、１年しか変わらないでしょ。普通に暇だったからじゃなくて？」
「暇ではなかったけど。紫音ちゃんの演奏が聞き心地良すぎたのかな。」
「相変わらず口がお上手で。」
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ツナ(プロフ) - nmiyu0922さん» ホントですか…！二度もありがとうございます！更新ペース落ちてしまって申し訳ないです。もうすぐ続編いきますので！ (2020年6月21日 8時) (
レス) id: 04f33d8056 (このIDを非表示/違反報告)
nmiyu0922(プロフ) - あ゛ぁ゛〜、本当に好きです…。← (2020年6月21日 7時) (レス) id: 719e37fa2d (このIDを非表示/違反報告)
ツナ(プロフ) - nmiyu0922さん» ありがとうございます〜！嬉しいです、やる気湧いてきました。ご期待に添えるよう頑張ります。 (2020年6月13日 13時) (レス) id: 04f33d8056 (このIDを非表示/違反報告)
nmiyu0922(プロフ) - 本当に毎回面白いです！！！！更新頑張ってください！ (2020年6月13日 1時) (レス) id: 719e37fa2d (このIDを非表示/違反報告)
ツナ(プロフ) - アリスさん» こんばんは！閲読・コメントありがとうございます。姫野は私の好みを詰め込んで誕生した子です。性格も結構悩んだのでそう言って貰えて嬉しいです！更新頑張ります♪ (2020年5月19日 22時) (レス) id: 04f33d8056 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ツナ | 作成日時：2020年5月14日 19時
