気を遣わせて ページ38
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ところが、夕食後。
紫音が自室に呼び出したのは貴公子でも神でもなく、どこぞのプリンスだった。
「紫音ちゃん、夜に男を部屋に入れるのはあんまりいいことじゃないかな。」
部屋に入っての第一声がこれだ。
忠告なのかおふざけなのか、何のつもりで言ってるのかは知らないが
とりあえず眉を下げてニコニコ笑っている彼をジト目で睨んでおいた。
「……君が変な下心持って来てるって言うなら今すぐ追い出すけど？吹雪士郎。」
「ないない。もしあったとしたら、忠告の前に君に詰め寄ってるよね。」
「……手慣れてる感が隠せてないけど……。地元に相手いるの？」
「いないよ。北海道と山梨じゃちょっと遠距離だよね。」
近距離ならいいのか？とツッコミそうになったが、今は彼女がいるとかいないとかの話をしたい心境じゃない。
紫音は足を組んでベッドに座ったまま、吹雪に椅子に座るよう促した。
同じベッドに座らせないのは、自意識過剰かもしれないが万が一のための自己防衛。
「で、私が君を呼び出したのはただの恋愛相談でもなくて。」
色恋の話とは打って変わって、シリアスな雰囲気に一転すると、紫音は目線が合わなくなる程度に頭を下げた。
「ごめん。」
「何のことかな？紫音ちゃんが謝罪するようなことはされてないと思うけど。」
純粋に身に覚えがないようで、許す許さないの問題以前に吹雪はポカンとしていた。
「君には幼児化した私がベラベラ母さんのこと話してたんでしょ。だから今日のミーティングでも、余計な気遣わせて悪かったと思って。」
「そのことか。別に僕は気を遣ったつもりはないから、謝らなくていいよ。
紫音ちゃんについて知らないことばっかりで少し驚いたけどね。」
いつかバイオリニストの母さんと舞台で一緒に弾くとか。音楽の道に進むと思ってただとか。
４歳の紫音は吹雪にピアノのことを楽しそうに話していたのに、
音楽や両親との思い出など今となっては追憶。悲しい過去だ。
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ツナ(プロフ) - nmiyu0922さん» ホントですか…！二度もありがとうございます！更新ペース落ちてしまって申し訳ないです。もうすぐ続編いきますので！ (2020年6月21日 8時) (
レス) id: 04f33d8056 (このIDを非表示/違反報告)
nmiyu0922(プロフ) - あ゛ぁ゛〜、本当に好きです…。← (2020年6月21日 7時) (レス) id: 719e37fa2d (このIDを非表示/違反報告)
ツナ(プロフ) - nmiyu0922さん» ありがとうございます〜！嬉しいです、やる気湧いてきました。ご期待に添えるよう頑張ります。 (2020年6月13日 13時) (レス) id: 04f33d8056 (このIDを非表示/違反報告)
nmiyu0922(プロフ) - 本当に毎回面白いです！！！！更新頑張ってください！ (2020年6月13日 1時) (レス) id: 719e37fa2d (このIDを非表示/違反報告)
ツナ(プロフ) - アリスさん» こんばんは！閲読・コメントありがとうございます。姫野は私の好みを詰め込んで誕生した子です。性格も結構悩んだのでそう言って貰えて嬉しいです！更新頑張ります♪ (2020年5月19日 22時) (レス) id: 04f33d8056 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ツナ | 作成日時：2020年5月14日 19時
