やりたいように ページ33
＿＿＿＿＿
ようやくチームが１つになって進んでいける。
排除ではなく、救済の道に。
しかし、どの道だってのんびり歩いていたら辿り着けるような、整備された一本道ではない。
寧ろ、ここからが大事なところだ。
「僕らが気付いたことを組織に悟られれば、敵は一星君をターゲットにするかもしれない。」
「じゃあどうすれば……。」
「……僕に考えがある。」
この短時間で、最悪の想定とその対抗策まで導き出す野坂。
驚異の頭の回転の速さに、イレブンのほとんどは舌を巻くばかりだった。
かなりの時間をかけたが、話は大体落ち着き、部屋を出て行く人もちらほら。
しかし紫音はそそくさと部屋に戻る気になれず、難しい顔をして座ったままだった。
やはり気になるのは事故の被害者名簿のこと。
あの頃の紫音はいちほし君を大分気にかけていたところがあったので、「一星」と云う名前が見間違いだったとは思いにくい。
「(わかんないなぁ……。今考えたところで答えがわかることでもないし…。)」
どれだけ考えても、数学のようにいつかは問題が解ける、なんてことは有り得ない。
何故なら、証拠となる事故の資料は東京の自宅に置きっぱなしだからだ。
うーん…と机に突っ伏していたら、「戻らないのか？」と突然声をかけられた。
「円堂守か。ちょっと考えることがあって。」
「そうか。」
すると、何を思ったか円堂は紫音の隣の椅子に腰を下ろした。
別に深刻な悩みじゃないんだけど…と付け加えようとしたが、円堂の方が先に口を開いた。
「俺さ、一星と話してみようと思う。」
「……素直に聞いてくれるとでも？」
「それはわからないけどさ。やっぱ直接言わないと、アイツに俺達の気持ちは届かない気がするんだ。」
「まぁ……皇帝の案は人情的ってより、『確実に』って感じだし。やりたいようにやればいいんじゃない？多分誰も止めないから。」
「ああ。野坂には野坂の考えがあるように、俺には俺の考えがある。だからな…
紫音にも、紫音の考えがあっていいと思うぞ。お前のやりたいようにやってみろ。」
と言って、ニカッと笑った。
円堂とは対照に、話してないのに何故わかったんだろう…と紫音は心底不思議そうな表情をしていた。
「そうだね。」
と、いうことで…。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 170人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「イナズマイレブン」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ツナ(プロフ) - nmiyu0922さん» ホントですか…！二度もありがとうございます！更新ペース落ちてしまって申し訳ないです。もうすぐ続編いきますので！ (2020年6月21日 8時) (
レス) id: 04f33d8056 (このIDを非表示/違反報告)
nmiyu0922(プロフ) - あ゛ぁ゛〜、本当に好きです…。← (2020年6月21日 7時) (レス) id: 719e37fa2d (このIDを非表示/違反報告)
ツナ(プロフ) - nmiyu0922さん» ありがとうございます〜！嬉しいです、やる気湧いてきました。ご期待に添えるよう頑張ります。 (2020年6月13日 13時) (レス) id: 04f33d8056 (このIDを非表示/違反報告)
nmiyu0922(プロフ) - 本当に毎回面白いです！！！！更新頑張ってください！ (2020年6月13日 1時) (レス) id: 719e37fa2d (このIDを非表示/違反報告)
ツナ(プロフ) - アリスさん» こんばんは！閲読・コメントありがとうございます。姫野は私の好みを詰め込んで誕生した子です。性格も結構悩んだのでそう言って貰えて嬉しいです！更新頑張ります♪ (2020年5月19日 22時) (レス) id: 04f33d8056 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ツナ | 作成日時：2020年5月14日 19時
