遺族 ページ22
＿＿＿＿＿
一星の人生を大きく変えた事故が起きたのは四年前。
晴れた夏の日に、国道２４６号線付近で、自動車７台の玉突き事故が発生した。
救急車で病院に搬送され、幼いながらにして一星は３日で何とか意識が戻った。
しかし同乗していた彼の父親は帰らぬ人となり、彼は行き場を失った。
そこで病室に現れたのが、オリオン財団のトップである老人だった。
優秀なサッカーセンスを認め、更に支援したいと。
「え…？その事故って…。まさか一星が、あの…？」
頬杖をついていた手を降ろし、紫音は信じられないと云う目で円堂を見詰め、震える声で呟く。
「何だ？紫音も知ってたのか？」
「知ってるも何も、私はその事故の被害者…………の遺族だから。」
皆が一斉に紫音の方に振り返る。
そんな話はチームメイト誰１人として知らなかった筈なので、全員初耳だ。
「何だと？」
「遺族って…。」
やはり、今思い出しても綺麗な思い出だとは言い難いな…と紫音は自嘲する。
見たことのない、哀愁に満ちた目で紫音は背もたれに身を預ける。
「「紫音 / 紫音ちゃん」」
ほぼ同時に紫音の名を呼んだタツヤと吹雪は、声が重なったのに気付いて互いに顔を見合わせた。
「あぁ、２人には家族の話 したことあったからね。いつもはぐらかしててごめん。
タツヤは、これで合点がいくでしょ。吹雪士郎は……ちょっと説明しないと気が済まないって顔してる？」
紫音の過去事情だと云うのに、２人共ショックとは違う、ただ呆然としたように言葉を失っている。
そんな顔してたら私が悪者みたいなんだけど…？とベタなセリフを吐いてみても、言い返してすらくれない。
「……ちょっと、今は一星のことでしょ？話逸らしたのは私だけどさ＿＿」
「逸らすぐらいなら最後まで話せよ。」
紫音の言葉を遮ったのはヒロトだった。
「一星にだって、関係なくはねぇんだろ。んな中途半端に話切られて、黙って話題戻せるかよ。」
タツヤが「紫音の気持ちを考えろ」とヒロトを制するが、本人は発言を撤回するつもりはないらしい。
「私は面白く話すなんてこと出来ないけど。聞きたいの？」
「……ああ。」
「監督〜。ミーティング中断するけど、咎めないでよ？」
「はい。どうぞ好きなだけ話しちゃってください。」
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ツナ(プロフ) - nmiyu0922さん» ホントですか…！二度もありがとうございます！更新ペース落ちてしまって申し訳ないです。もうすぐ続編いきますので！ (2020年6月21日 8時) (
レス) id: 04f33d8056 (このIDを非表示/違反報告)
nmiyu0922(プロフ) - あ゛ぁ゛〜、本当に好きです…。← (2020年6月21日 7時) (レス) id: 719e37fa2d (このIDを非表示/違反報告)
ツナ(プロフ) - nmiyu0922さん» ありがとうございます〜！嬉しいです、やる気湧いてきました。ご期待に添えるよう頑張ります。 (2020年6月13日 13時) (レス) id: 04f33d8056 (このIDを非表示/違反報告)
nmiyu0922(プロフ) - 本当に毎回面白いです！！！！更新頑張ってください！ (2020年6月13日 1時) (レス) id: 719e37fa2d (このIDを非表示/違反報告)
ツナ(プロフ) - アリスさん» こんばんは！閲読・コメントありがとうございます。姫野は私の好みを詰め込んで誕生した子です。性格も結構悩んだのでそう言って貰えて嬉しいです！更新頑張ります♪ (2020年5月19日 22時) (レス) id: 04f33d8056 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ツナ | 作成日時：2020年5月14日 19時
