依存 ページ14
＿＿＿＿＿
「極楽〜。やっぱり動いた後は甘い物だよね。わかる。」
目を細めて うんうんと頷き、歩きながらお菓子を食べる紫音。
恐らく見ている者の幻覚だが、紫音の周辺には薄桃色の花びらが舞っているように見える。
「えっと……野坂いないけど、独り言？」
「ほっとけ。今関わると巻き込まれるぞ。」
紫音の「わかる」は誰に言ってるのか、キョロキョロする稲森と、ちょっと引いている灰崎。
タツヤは「ビックリ箱じゃなくて良かったね」と、子を見守る保護者面だ。
そんな彼らの後方では、きっと野坂を探しているのだろう、落ち着きがない西蔭がいた。
「西蔭政也。皇帝に私の好物教えたのも君でしょ？ありがと。」
「俺は聞かれたから答えたまでだ。それより野坂さんを見てないか。」
「見てない。先に行ってんじゃないの…？荷物は？」
「もう持ち出されていた。」
「へぇ。じゃあ置いて行かれたんでしょ。皇帝様も冷たいねぇ。」
紫音は深い気があって言った訳じゃないのに、西蔭にはそれが癪に障ったようで。
ズン、と一歩紫音に近寄り、鋭い目付きで紫音を見下ろす。
身長差と放つオーラ故に、紫音は首を竦めて後ずさった。
「野坂さんは決してお前のように冷たい人間じゃない。」
「『お前のように』は余計。君がこうして探してる中置いて行くとか、扱い雑なんじゃないの。」
「野坂さんは暇じゃないんだ。寧ろのんびり歩いている方が珍しい。」
「野坂さん野坂さんって、君野坂悠馬のことしか言ってない。もうある種の依存でしょ。」
「あの方には依存される程の素質がある。」
「そう思ってるの君ぐらいだって。」
「何だと？」
紫音がヒラヒラとテキトーに手を振っていると、代わりにギロりと睨む西蔭。
紫音も眉間にシワを寄せて、負けじと西蔭を睨み返す。
唯ならぬ雰囲気になりかけ、周囲もざわつき始めたその時。
「紫音ちゃん、西蔭？何やってるの？」
「「皇帝… / 野坂さん！」」
一言かけただけで圧倒的な存在感を発揮する野坂。
西蔭はもう紫音には目もくれず、一目散に野坂のところに駆け寄った。
「どこに行っていたんですか？」
「少し遠回りをしてただけだよ。」
どうやら置いて行った訳ではないらしく、西蔭は「ほらみろ」とでも言いたげな顔で紫音との言い合いに勝利した。
対する紫音は超不満気に、チョコマーブルを３個まとめて口に放り込んだ。
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ツナ(プロフ) - nmiyu0922さん» ホントですか…！二度もありがとうございます！更新ペース落ちてしまって申し訳ないです。もうすぐ続編いきますので！ (2020年6月21日 8時) (
レス) id: 04f33d8056 (このIDを非表示/違反報告)
nmiyu0922(プロフ) - あ゛ぁ゛〜、本当に好きです…。← (2020年6月21日 7時) (レス) id: 719e37fa2d (このIDを非表示/違反報告)
ツナ(プロフ) - nmiyu0922さん» ありがとうございます〜！嬉しいです、やる気湧いてきました。ご期待に添えるよう頑張ります。 (2020年6月13日 13時) (レス) id: 04f33d8056 (このIDを非表示/違反報告)
nmiyu0922(プロフ) - 本当に毎回面白いです！！！！更新頑張ってください！ (2020年6月13日 1時) (レス) id: 719e37fa2d (このIDを非表示/違反報告)
ツナ(プロフ) - アリスさん» こんばんは！閲読・コメントありがとうございます。姫野は私の好みを詰め込んで誕生した子です。性格も結構悩んだのでそう言って貰えて嬉しいです！更新頑張ります♪ (2020年5月19日 22時) (レス) id: 04f33d8056 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ツナ | 作成日時：2020年5月14日 19時
