チョコマーブル ページ13
＿＿＿＿＿
「姫野紫音、荷物をこちらに寄越しなさい。」
「わかったけどさ……デリカシーとかない訳…？一応未成年の女子なんだけど。」
紫音は丁寧にジッパーを開けてやりながらも、目の前の男を睨みつつバッグを放った。
紫音のもっともな苦情に対応する気は全く無いらしく、「上層部の命令だ」としか言わない。
やがて男は、１つのプラスチックケースを取り出す。それは正真正銘、先程 野坂が勝手に突っ込んだ物だ。
「このケースの中身は何だ。お前の物か？」
そこで紫音は、もし何かあっても知らないフリをするように、と野坂に注意を受けていたことを思い出した。
野坂は紫音に手荷物検査が来ることを予想し、先手を打っていたのだろうか。
「私は知らないよ。」
半分は本当、半分は嘘。
確かに中身は知らないのだが、紫音の物でないことは知っているから。
同時に、野坂の荷物からも似たようなケースが発見されたらしく、そっくりなケースを持った男２人は１箇所に合流する。
紫音が野坂を一瞥すると、何やら手招きしている様子。
ということで、重い腰を持ち上げて野坂に元に歩み寄った。
「で、そのケースが何だって言うの？」
紫音と野坂と、対面するように横並びに立つ男２人。
紫音に急かされ、ケースの蓋を指先で開けてみると、まさかの。
「何っ…？」
「何だこれは…！？」
何故か自分達でケースを開けておいてビックリ仰天している男２人。
中身までは紫音も知らないので、なんだなんだ？と覗き込もうとしたが、野坂に首根っこを掴まれて阻まれる。
そして野坂は、胡散臭さたっぷりの笑顔で寸劇を始めた。
「あぁ、それですか。チョコマーブルですよ。試合の後って、甘い物食べたくなるんです。」
ピク、と紫音の耳が疼いた。チョコマーブル…だって…！？
そんなうちに、「疑ってすまなかった」と謝罪して男達は出て行った。
「皇帝、このケースの中身って…もしかして…。」
「さっきも言った通り。チョコマーブルだy＿＿＿」
「それ頂戴！」
いきなりチョコ大好きのスイッチが入ってしまった紫音。
しかし野坂は引くどころか驚く素振りを見せず、ふわっと笑ってケースを差し出した。
「いいよ。元々君にあげる予定だったんだ。チョコ好きっていうのは、聞いてたからね。美味しく食べて貰えたら嬉しいな。」
「あ、ありがとう…！」
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ツナ(プロフ) - nmiyu0922さん» ホントですか…！二度もありがとうございます！更新ペース落ちてしまって申し訳ないです。もうすぐ続編いきますので！ (2020年6月21日 8時) (
レス) id: 04f33d8056 (このIDを非表示/違反報告)
nmiyu0922(プロフ) - あ゛ぁ゛〜、本当に好きです…。← (2020年6月21日 7時) (レス) id: 719e37fa2d (このIDを非表示/違反報告)
ツナ(プロフ) - nmiyu0922さん» ありがとうございます〜！嬉しいです、やる気湧いてきました。ご期待に添えるよう頑張ります。 (2020年6月13日 13時) (レス) id: 04f33d8056 (このIDを非表示/違反報告)
nmiyu0922(プロフ) - 本当に毎回面白いです！！！！更新頑張ってください！ (2020年6月13日 1時) (レス) id: 719e37fa2d (このIDを非表示/違反報告)
ツナ(プロフ) - アリスさん» こんばんは！閲読・コメントありがとうございます。姫野は私の好みを詰め込んで誕生した子です。性格も結構悩んだのでそう言って貰えて嬉しいです！更新頑張ります♪ (2020年5月19日 22時) (レス) id: 04f33d8056 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ツナ | 作成日時：2020年5月14日 19時
