スキャンダル ページ28
＿＿＿＿＿
体をどこも痛めていないことを確かめながら紫音が起き上がり、上段にいる一星を下から睨みつける。
「また脅しのつもり？」
「まさか。これは "ついで" ですよ。紫音さんが階段から落ちて怪我でもすれば、写真を撮る必要もなかったでしょうしね。
幸か不幸か…って訳です。悪い意味の。」
余裕の笑みを貼り付けた一星が、一段一段ゆっくりと降りて来る。
相変わらず外見に似つかわしくなく、言ってることはとんでもない。
「そんな写真を撮ってどうするつもりなんだ？」
「イナズマジャパンに晒しても、ギャグかネタだと思われるんじゃない？私とタツヤが逆ならまだしも…ね。」
「日本代表にバラしたって何の意味も得もないですよ。マスコミだったら…お２人の選手生命がどうなるかわかりませんが。」
紫音は背中にゾクッとした戦慄がはしった。
一星は紫音潰しの失敗からたまたま生まれた、明らかにアウトな写真をメディアに公表するつもりだ。
現在、このスタジアムには数々のテレビ局や新聞社が来ている。
一星がその気になれば、ほんの数秒で全国に拡散することも出来てしまうのだ。
恐らくそこから紫音とタツヤの立場を追い込み、まとめて代表から排除…と云う魂胆だ。
アイドルでも芸能人でもないのに、こんなところで(しかもこんな奴に)スキャンダルに悩まされるとは思ってもみなかった。
もういくら説得しても、一星が聞き入れることはないだろう。
口ではダメ。だったら力ずくで止めるしかない。
とんだ誤解スキャンダルで代表失格になるくらいなら、暴力沙汰の方がまだマシだ。
紫音がそんなことを考えているのを知る由もなく、歩きスマホの一星はついに紫音達がいる踊り場まで降りて来た。
「(ふざけないでよ。)」
紫音は地面スレスレに回し蹴りをし、一星の足首に命中。
予想通り、無防備だった一星はバランスを崩してよろける。
その隙を見て紫音は素早く立ち上がり、彼が持つスマホに手を伸ばした＿＿。
が、一瞬で体勢を立て直した一星の方が先に動いた。
紫音の指先がスマホに触れる直前に一星は ひょいと片手を上げ、紫音が届かない高さに避難する。
「暴力は良くないですよ、紫音さん。」
「どの口が言う。」
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ツナ(プロフ) - 怪盗あーるさん» わぁ、ありがとうございます！最近リアルでやらなきゃいけない事が溜まってるんですけど、更新途絶えないよう頑張ります(笑) (2020年4月27日 0時) (
レス) id: 04f33d8056 (このIDを非表示/違反報告)
怪盗あーる - いつも更新を楽しみにしています。これからも応援しています! (2020年4月26日 21時) (レス) id: 6e9264e8f1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ツナ | 作成日時：2020年4月7日 18時
