重いもの ページ27
＿＿＿＿＿
♪♪
これは客席があるスタジアム２階に続く階段だが、こちらも関係者用なので２階側には重い扉と警備員が待ち構えている。
だから観客が１階に来ることは出来ないし、わざわざ選手が２階に行く機会もないので
一星が紫音を狙うには、絶好のスポット。
試合直前にまた幼児化なんてさせられたら、もうお終いだ。絶対に間に合わない。
幼児化じゃなくたって、軽く怪我を負わされたとしても試合に出られない。
この前の夜、紫音のことは守ると誓ったのに肝心な時に駆けつけられないと意味が無い。
タツヤは全速力で階段を時々飛ばしながら登り、踊り場でUターン。
その時、目の前が真っ暗になって、そこそこ重いものが上から落ちて来た。
受け止めきれず後ろに倒れ、両肘を踊り場の床につく。
改めてその落ちて来たものを見て、しばらく硬直してしまった。
「紫音！？どうしたの？」
"そこそこ重いもの" と表現してしまったことを心の底から謝罪した。
断じて紫音が重い訳では無い。
人が落ちて来たのだから、多少重みを感じるのは普通…だろう。
今、女子の紫音が男子のタツヤに乗っかっている…というか押し倒している。
走ったせいで息が上がっているのも重なり、かなりアウトな絵面だが、とりあえずクッションになれたようでホットする。
「来てくれたんだ、ありがと。上で一星に突き落とされて死ぬかと思ったけど、お陰で助かった。」
「間に合ったみたいで良かった。でもその一星はどこに行ったんだ…？」
「そういえば…まだ上かも。」
「紫音は早く逃げた方が＿＿＿」
その時、パシャッとカメラのシャッター音が１回響いた。
ビクッと肩を震わせた紫音と、背筋を凍らせたタツヤが振り向くと、こちらにスマホを向けた一星が階段の上に立っていた。
「一星！今すぐその写真消して。」
「試合前にこんなところでイチャイチャなんて、随分余裕なんですね？」
「誤解だよ！」
「誰のせいだと思ってるの？」
そんな２人の言い分は聞かず、一星は「ちょっと暗いなー」なんて独り言を言って写真を見ている。
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ツナ(プロフ) - 怪盗あーるさん» わぁ、ありがとうございます！最近リアルでやらなきゃいけない事が溜まってるんですけど、更新途絶えないよう頑張ります(笑) (2020年4月27日 0時) (
レス) id: 04f33d8056 (このIDを非表示/違反報告)
怪盗あーる - いつも更新を楽しみにしています。これからも応援しています! (2020年4月26日 21時) (レス) id: 6e9264e8f1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ツナ | 作成日時：2020年4月7日 18時
