一か八か ページ35
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「稲森明日人！こっちに回して！」
紫音は早速実行に移った。
ボールを奪われるのを警戒してパスを躊躇っている稲森に、手を振って呼びかける。
体を寄せてくるウズベキスタンの『爆走三連星』を稲森はタイミング良くかわし、正確なパスを紫音に通した。
紫音が自らアピールしたことで稲森の狙いが的確に定まり、タイミングと力加減が丁度良くなったのだろう。
足で受け止め、ドリブルで進む紫音にアナハンが迫って来る。
フェイントをかけてみたり、加速してみたりするが、これまた突き放されることなく食らいついてくるのだ。
痺れを切らした紫音は並走する彼に無駄口をきいた。
「君、ずっと走ってるんじゃない？」
「俺のスタミナを舐めるなよ。」
「へぇ……。そっちこそ、私のプレイを舐めないでよ。」
「だったら証明してみろ。」
アナハンは口で言ったぐらいでは信じない、と言いたげに笑い、それが紫音の闘争心を燃やした。
最後の賭けに出たのか、アナハンは勢い良くスライディングをかましてきた。
こんなものをかわす必殺技など紫音は持ち合わせていない。しかし、ここを突破すればゴールは目前。
紫音も一か八かで行動に出た。
運んでいたボールは高く蹴り上げ、自分は軽く飛んでスライディングを避ける。
着地に成功したところで降って来たボールを回収し、しつこかったアナハンをようやく振り切れた。
「『
紫音の十八番『
意味は『活気に満ちて』。
文字通り、とっても元気なシュートは曲線の軌道を描いて不規則にバウンドした。
大きなミスは…無かった筈だ。
シュートが決まることを祈りながら、紫音が行く末を見守る。
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ツナ(プロフ) - 怪盗あーるさん» わぁ、ありがとうございます！最近リアルでやらなきゃいけない事が溜まってるんですけど、更新途絶えないよう頑張ります(笑) (2020年4月27日 0時) (
レス) id: 04f33d8056 (このIDを非表示/違反報告)
怪盗あーる - いつも更新を楽しみにしています。これからも応援しています! (2020年4月26日 21時) (レス) id: 6e9264e8f1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ツナ | 作成日時：2020年4月7日 18時
