阻止出来た筈 ページ10
＿＿＿＿＿
「君も鬼道さんのように選手生命を失いたくなければ、大人しくしてるのが身のためだと思うけど。」
「んなの知ったことかよ！」
一星の言うことは正論と言えば正論だが、今の灰崎は聞き入れる素振りを一切見せない。
今度こそ、灰崎のストレートパンチが一星を襲う＿＿＿寸前で、灰崎の拳がストップする。
「やめろ灰崎！」
止めたのは円堂だった。
「今問題を起こしたら、お前まで試合に出られなくなるぞ。そんなことになったら、鬼道が１番辛く思う筈だ。」
「チッ…。」
灰崎は悔しげに舌打ちをかまし、だんだんと力が抜けていくように一星から手を離した。
鬼道がいなくなった今、誰が一星への対処を引っ張って行くのだろう。
しかも暴力沙汰等を起こせばこちらがアウトなので、思うように動くことが出来ない。
「紫音さん。」
「…何？」
一星の微笑みと同時に細められた大きな目が、紫音へと向けられる。
「本当に誰にも言わなかったんですね。てっきり、タツヤさん辺りに直ぐ言っちゃうと思ってました。」
「タツヤを巻き込まないで。それに、言うなって言ったのは君でしょ？」
紫音は棘のある言葉と合わせて一星を睨んだ。
頼みをしっかりと守ったのに、一星は意外だとでも言うように今度は目を大きく開いた。
「でも、紫音さんは知ってたんですよね？試合の後、更衣室で何かが起こるって。」
「だって君が……あ。」
思わず一星の行動を吐露してしまいそうになった。
言い返せる言葉なら幾らでもある筈なのに、一星の頼み事がどうしても頭に残ってしまい鎖となって紫音の思考を妨げる。
「頭の冴える紫音さんなら、少し考えればわかったんじゃないですか？鬼道さんの失格だって阻止しようと思えば出来た筈ですよ。」
「…そうだね。」
紫音は肯定しか出来ない。
今更ながら、一星が紫音にあそこまでして頼み込んだことに隠された意図を理解した。
一星は紫音のチーム内での立場を悪くさせるように嗾けているのだ。
「なのに紫音さんは何もしなかった。知ってたのに何もしないなんて、共犯も同然ですよ。」
正直、そこまで言うか？と紫音は思った。
だが、紫音が何も言えないのをわかっていて共犯だと捲し立てる一星はタチが悪い。
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ジュネ - そうですか。 (2020年4月7日 15時) (
レス) id: fc52a805ec (このIDを非表示/違反報告)
ツナ(プロフ) - ジュネさん» すみません、もう消してしまったので作品は残ってないですね…。 (2020年4月6日 12時) (レス) id: 04f33d8056 (このIDを非表示/違反報告)
ジュネ - 代表に選ばれた四つ子姉妹をもう一度読みたいです。 (2020年4月6日 11時) (レス) id: fc52a805ec (このIDを非表示/違反報告)
女海結香 - ありがとうございます！他の作品も見てくれると嬉しいです！ツナさんも他の作品が出来たら教えてください！ (2020年4月5日 19時) (レス) id: a0c2a02850 (このIDを非表示/違反報告)
ツナ(プロフ) - 女海結香さん» 大丈夫ですよ！お互い更新頑張りましょう！ (2020年4月5日 17時) (レス) id: 04f33d8056 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ツナ | 作成日時：2020年3月12日 0時
