せせら笑う ページ9
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紫音の掌の中で音を立てて潰れたもの、それは一星に貰ったチョコレートの包装紙だった。
……一星？
紫音は複雑に絡まっていた糸が解けたかのように、ハッと目を見開いた。
「(一星充がやたら隠したがってたことって……まさか。)」
もう１度、更衣室内を見渡す。
やはり一星の姿は無い。
早々に更衣室から出て来た一星。
鬼道にも誰にも身に覚えのないピルケース。
鬼道の無念のチーム離脱。
それぞれが謎解きの手がかりのようにグルグルと紫音の頭を中を回る。
そして、紫音は１つの考えに辿り着いた。
「(これは一星充による捏造だった…？)」
試合後に一星を見たのは、恐らく紫音だけだ。
この場の誰も一星の名前を上げず、鬼道が連れ去られた扉を見て呆然と立ち尽くしている。
勿論、鬼道が本当にドーピングをしていたと信じている者は１人もいない。
皆の目には、戸惑い、不信感、怒り、悲しみなど一言では表せない程の真意が混ざり合っているような気がした。
その時、またいきなり扉が開いた。
「あーあ、鬼道さん失格になっちゃいましたねー。」
せせら笑うように言い、姿を見せたのは、紫音が犯人だと踏んでいる一星だった。
この場にいなかったにも関わらず、一星は鬼道が失格にされたことを知っている。
紫音の考えが確信となるには、それらの証拠だけで十分だ。
そしてついに全員が見る前で化けの皮を剥がした一星。
紫音だけでなく、この場にいる全員が"一星が犯人"だと何の気なしに察した。
「テメエが鬼道を嵌めたんだな！？」
「何のことかなぁ？」
ウザったい一星の口調は、怒りに震える灰崎の精神を更に逆立てるためにわざとやっているように感じる。
「だけど良くないよねえ、ドーピングなんて。
鬼道さんがそんな卑怯なことする人だったなんて、幻滅だなー。」
「テメエエェェーッ！」
案の定煽られて怒りを爆発させた灰崎は、乱暴に一星を扉に押し付けた。
ほとんどの者は何も口を出さず、緊迫とした表情でそれを見ている。
灰崎が右手を顔の横に構え、怒りの鉄槌が一星の顔面に迫る。
だが、そんな状況でも一星は余裕の笑みを浮かべている。
「いいのかなあ、灰崎君？」
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ジュネ - そうですか。 (2020年4月7日 15時) (
レス) id: fc52a805ec (このIDを非表示/違反報告)
ツナ(プロフ) - ジュネさん» すみません、もう消してしまったので作品は残ってないですね…。 (2020年4月6日 12時) (レス) id: 04f33d8056 (このIDを非表示/違反報告)
ジュネ - 代表に選ばれた四つ子姉妹をもう一度読みたいです。 (2020年4月6日 11時) (レス) id: fc52a805ec (このIDを非表示/違反報告)
女海結香 - ありがとうございます！他の作品も見てくれると嬉しいです！ツナさんも他の作品が出来たら教えてください！ (2020年4月5日 19時) (レス) id: a0c2a02850 (このIDを非表示/違反報告)
ツナ(プロフ) - 女海結香さん» 大丈夫ですよ！お互い更新頑張りましょう！ (2020年4月5日 17時) (レス) id: 04f33d8056 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ツナ | 作成日時：2020年3月12日 0時
