ツンツン ページ45
＿＿＿＿＿
♪♪
「大丈夫だよ。きっと元に戻れるさ。」
「そんなの、信じられる訳ないじゃん！」
「そうだよね…。」
紫音が言うことにも一理ある。
気が付いたら見ず知らずの場所にトリップしていて、更に見ず知らずの人間に話しかけられたら、誰だってこうなる。
ましてや相手は４歳の幼女だ。
しかしこのまま泣き止んで貰えなくては、ゆっくり話も出来やしない。
だが、生憎吹雪も小さい子供の世話をした経験など持ち合わせていない。
一瞬で紫音を泣き止ませられる物と云えば＿＿
「紫音ちゃん、チョコレートは好き？」
「大好き。」
呂律は回っておらず、涙ぐんだままだったが確かに紫音はそう答えた。
良かった、小さくなろうともそこは変わっていなかった。
紫音のことだから、冷蔵庫にはチョコレートの買い置きの１つや２つくらい当然のようにあるだろう。
紫音を厨房の椅子に座らせて吹雪が立ち上がった時、調理台に無造作に置かれたバット＿＿即ち生チョコが目に入った。
＿＿「わからない…！チョコ食べたら急に…。」
そういえば紫音は駆けつけた吹雪の質問にそう答えていた。
紫音が食べたのはこの生チョコなのだろうか。
吹雪は念の為それは食べない方が良いと判断し、冷蔵庫から板チョコ(思った以上に沢山あった)を２枚取り出した。
「君がここに来てしまった理由については、僕が知っている限りのことを話すよ。」
「…信じていいの？」
「ああ。兎に角、食べるかい？本当は僕のじゃないんだけど。」
「チョコはチョコだから、一応貰っとく。」
紫音は小さいながらにも相変わらずのツンツンした性格を発揮し、無愛想にそっぽを向いた。
しかし体は正直に吹雪の手から素早く板チョコを奪い、一切破かずに包装紙を開けてみせる。
そして恐らくまだ生え変わっていない小さな歯で、焦げた茶色の薄板にかぶりつく。
見知らぬ男から貰ったものだが、味は正常だとわかると紫音は ホッと肩の力を抜いた。
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ジュネ - そうですか。 (2020年4月7日 15時) (
レス) id: fc52a805ec (このIDを非表示/違反報告)
ツナ(プロフ) - ジュネさん» すみません、もう消してしまったので作品は残ってないですね…。 (2020年4月6日 12時) (レス) id: 04f33d8056 (このIDを非表示/違反報告)
ジュネ - 代表に選ばれた四つ子姉妹をもう一度読みたいです。 (2020年4月6日 11時) (レス) id: fc52a805ec (このIDを非表示/違反報告)
女海結香 - ありがとうございます！他の作品も見てくれると嬉しいです！ツナさんも他の作品が出来たら教えてください！ (2020年4月5日 19時) (レス) id: a0c2a02850 (このIDを非表示/違反報告)
ツナ(プロフ) - 女海結香さん» 大丈夫ですよ！お互い更新頑張りましょう！ (2020年4月5日 17時) (レス) id: 04f33d8056 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ツナ | 作成日時：2020年3月12日 0時
