正真正銘 ページ33
＿＿＿＿＿
同日午後、暇を持て余した紫音は自分以外の代表メンバーの練習を見学することにした。
恐らく埋まることはない…にも関わらず屋内グラウンドには観客席がびっしり敷き詰められている。
どちらかのゴール裏ではなく、グラウンド全体を見渡せる中央辺りの、前から５列目に紫音は座った。
やはり普段使われないため観客席は若干薄暗く、更にその背景に黒髪が同化して、皆からは紫音の存在を確認出来ないだろう。
しかし、澄ました態度で練習を眺める紫音に時折視線を送る者がいた。
遠目だが、間違えるわけあるまい。
正真正銘、基山タツヤだ。
＿＿＿時は１、２時間近く前に遡る。
逃げるようにシャワールームを後にした紫音は、その足でタツヤの部屋に向かった。
突然の訪問だが幸運なことに、彼は自室にいた。
紫音が訪ねて来た理由は聞かずともわかっており、嫌な顔１つせずに彼女を部屋に入れると机から引いた椅子に座らせる。
タツヤ自身はベッドに座り、紫音の口から本題が告げられるのを待った。
彼がバッチリ聞く姿勢になっているのを感じ取った紫音は、湖畔で起きた事＿＿主に一星についてを包み隠さず吐露した。
ついでに一星への愚痴もペラペラと話してしまい、タツヤに苦笑いされた件の説明は省く。
「なるほど。一星は紫音を次のターゲットにしていて、何かしらの手段で離脱に追い込もうとしているということか。」
「自意識過剰って思われるかもしれないけど、私もそう考えてる。」
紫音が湖畔に呼び出されたことを知っており、この件と全く関わりがないとも言えないタツヤは、やはり同行すれば良かったか、と少し後悔する。
気軽く…ではないが今朝紫音を送り出し、まんまと危険に晒してしまったのだから。
「(これ以上紫音を危険な目に遭わせるわけにはいかない。)」
その謎の義務感が「チームメイトとして守るべき」と云うところから生まれたのか、「想いを寄せる女の子を守るのは当然」と云う私情から生まれたのかはわからない。
しかし、少なくとも「紫音に危害を及ぼしたくない」のは事実だ。
「極力１人で行動するのは避けた方がいい。それと、なるべく人気のないところには行かないようにして。もし一星からの接触があった時は、直ぐに教えて欲しい。」
「わかった。」
じゃあ早速、今日の午後はどうしよう？と２人で考え、行き着いた答えが「練習の見学」だった。
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ジュネ - そうですか。 (2020年4月7日 15時) (
レス) id: fc52a805ec (このIDを非表示/違反報告)
ツナ(プロフ) - ジュネさん» すみません、もう消してしまったので作品は残ってないですね…。 (2020年4月6日 12時) (レス) id: 04f33d8056 (このIDを非表示/違反報告)
ジュネ - 代表に選ばれた四つ子姉妹をもう一度読みたいです。 (2020年4月6日 11時) (レス) id: fc52a805ec (このIDを非表示/違反報告)
女海結香 - ありがとうございます！他の作品も見てくれると嬉しいです！ツナさんも他の作品が出来たら教えてください！ (2020年4月5日 19時) (レス) id: a0c2a02850 (このIDを非表示/違反報告)
ツナ(プロフ) - 女海結香さん» 大丈夫ですよ！お互い更新頑張りましょう！ (2020年4月5日 17時) (レス) id: 04f33d8056 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ツナ | 作成日時：2020年3月12日 0時
