一星の心理 ページ31
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紫音が初めて怒りを露わにすると、ヒロトは「ほう」と品定めするように紫音の歪められた顔をじっと見た。
「お前もやっとわかるようになったか。」
「もう一星が何の目的で動いてるかなんて気にならなくなってきた。出来れば関わりたくないよ、私は。」
寧ろ、ターゲットにされたとわかっても尚、関わろうとする大馬鹿者がどこにいるだろう。
日本を敗退させようと汚い手を使って罠に嵌めてくる一星だが、つい数分前の出来事があったせいで紫音は身の危険さえ感じていた。
笑顔で玩具のカッターを突き付けてくる彼になら、湖に だけでなく命まで落とされ兼ねない気がする。
「はっ、それは同感だ。」
「そういえば、どうして灰崎凌兵と湖畔に来たの？」
「いっぺん殴りに来ただけだ。お前までいるとは思わなかったけどな。」
「私だって君達が来るとは思ってなかった。」
結果的にはヒロト達が来たお陰で助かったと言えるのだが。
２人が来た時の一星の敵対するような目や動揺を見るに、彼も闖入者は予想していなかったのだろう。
「(だとすると…一星、少し詰めが甘くない？)」
脅し文に、"午前中"と書かず９時や１０時と指定し、皆の練習の真っ最中に呼び出せば邪魔が入ることはなかった筈だ。
更に、紫音を追い詰めてから突き落とすまでの無駄なやり取りが長過ぎた。
つべこべ言わずにさっさと手を離せば、紫音は今頃窮地に立たされていただろうに。
これは一星なりの優しさというか、厚意というか、善意というか……あるいはただ思考力が足りず、後先を考えていなかったのか。
「(………って、何真面目に考えてるんだ。一星が考えてることなんて、どうだっていい！)」
無意識に彼の心理を読み解こうとしていたことが信じられず、紫音は ぶるぶるっと頭を横に振った。
そして一星のせいで忘れていたことを思い出し、ヒロトに向き直って少し微笑む。
「さっきは言えなかったけど……助けてくれてありがとう。」
「ああ。……足、平気か。」
「え？」
まさか心配されるとは思っておらず、紫音は一瞬反応が遅れた。
失礼だが、怪我したことなどとっくに忘れられていると思っていた。
「(そうだ。昨日の試合で、ヒロトがベンチまで運んでくれたんだった。)」
今思い返すととても信じ難い出来事だ。
しかも、昨日からヒロトに助けて貰ってばかりだった。
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ジュネ - そうですか。 (2020年4月7日 15時) (
レス) id: fc52a805ec (このIDを非表示/違反報告)
ツナ(プロフ) - ジュネさん» すみません、もう消してしまったので作品は残ってないですね…。 (2020年4月6日 12時) (レス) id: 04f33d8056 (このIDを非表示/違反報告)
ジュネ - 代表に選ばれた四つ子姉妹をもう一度読みたいです。 (2020年4月6日 11時) (レス) id: fc52a805ec (このIDを非表示/違反報告)
女海結香 - ありがとうございます！他の作品も見てくれると嬉しいです！ツナさんも他の作品が出来たら教えてください！ (2020年4月5日 19時) (レス) id: a0c2a02850 (このIDを非表示/違反報告)
ツナ(プロフ) - 女海結香さん» 大丈夫ですよ！お互い更新頑張りましょう！ (2020年4月5日 17時) (レス) id: 04f33d8056 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ツナ | 作成日時：2020年3月12日 0時
