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(治視点)


カバンを図書室前の床に置いてそのまま忘れるとかほんまにアホや…。

来た道を戻りながら自分のアホさに呆れる。
きっと体育館行ったツムが言いふらしてバカにされるんやろな。


「はあぁあ…ほんっま怠いわぁ」


ため息や愚痴を吐きながら図書室前に着くと、案の定カバンが放り投げられていた。
それを拾い上げて肩にかけ、体育館へ急ごうと上体を捻る。


ふと、声がする。


「…は、」


まさか、ほんまに幽霊?ピシッと体が強張る。


恐る恐るドアに耳を当てて息を潜める。



『、……ぁ、…ん』

『……けよ、ほら………』



女と男の声。それと肌がぶつかる音。


はっきりとは聞こえんけど“ナニ”をしているのかは安易に想像ができた。



なんや、幽霊やないやん。こんなとこで盛んなや。



幽霊が出るんやなくて、ただのヤり部屋なだけやった。

こんなんに踊らされる皆んなもつくづくアホやな…。
本当に怖いんは幽霊やのうて人間やったんかの。


毎週のように出ると噂やったって事は、毎週ヤっとんか。暇かよ。


あー、アホらし。さっさと体育館いこ。


でも、ツムには黙っとこ。こんなおもろい事言うたら今度は覗きたいとか言いかねんしな。

わざと足音を立てるように図書室の前から歩き出した。


.

練習着に着替えて体育館に入ると何人かが自主練に励んでいた。


侑「遅かったやん。図書室の前やなかったん?」

「いや?図書室前に落っとったわ」

侑「そうなんや。ほんまアホやなぁ!プーくすくす」

「ああん?黙れや」

侑「なあなあ角名聞いてや!」

「おいゴラ!」

角名「何やったの治」

「何もやってへんわ!カバンを図書室前に…」


ふと、さっきのことが頭をよぎる。


侑「…?なんや、なんかあったん?」

「なんもないわ。はよ練習始めようや。サーブレシーブな」

「おう、角名もやんで」

角名「…俺も?いいけど」







練習後、着替えながら角名が切り出す。


角名「そういえば、噂についてはなんか分かったの?」

侑「それがなぁ、幽霊ちゃうかったわ」

角名「そうなんだ。まあ幽霊なんていないよね」

侑「でも中から閉められてんねん。余計気になるわ」

「まあ〜もうええんちゃう?丁度不在やったんかもしれんし」

侑「そうなんかな〜。幽霊じゃないなら俺はもうどうでもええわ」

角名「ふーん。噂の一人歩きってことね」

「そーそー」



ほんまの事を言いたくて口を滑らせそうになったけど、よう堪えた自分。


.

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チハル(プロフ) - 続きお願いします! (9月20日 20時) (レス) id: c51717b503 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ツクモ | 作成日時:2022年2月2日 21時

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