飴と鞭 ページ4
俺は、明らかに手紙の相手に惹かれていた。
説教されればむかつき、褒められればニヤける顔を抑える。相手にまるで踊らされているようだが、仕方がない。飴と鞭ってやつか。俺はそれにまんまとハマってしまったらしい。
俺が相手のことを気になっている、そう自覚してしまえばあとは早かった。
まず、名前が知りたい。いや、顔か？
とにかく、どんな奴で、なんで俺に手紙を出すのかが問いたい。
(つーか、俺のことよくみてるっつーことは、同じクラスなんじゃねーの？)
そうふと思いついて顔を上げた。
ぐるり、と教室内を見渡す。
俺によく話しかけてくる女子は、3人組の奴らだ。名前は知らねぇ。ただ、多分女子のカーストの中ではトップの奴らなのだろう。
『ダメですよ爆豪くん、』
手紙の相手の口調を思い出し、すぐにこの3人の可能性は消えた。あいつは、あんなチャラチャラした風な奴じゃねぇ。
ふむ、と、どこかのナードのように下唇に人差し指を当ててなぞる。ギラ、と己の眼光を光らせて今教室にいる女子共を一人一人観察していった。
(…誰だ、俺の事よく見えて、俺に手紙出せるような度胸のある奴……)
すると、ふいに後ろから聞きなれた声が聞こえた。
「カッチャーン飯食いに行こーぜー！」
ぽん、と肩を叩かれ振り返る。俺といつもつるんでいる刈り上げと指長が話しかけて来た。
どうやら、こんなことをしているうちにもう昼休みになってしまったようだ。
(…とりあえず、一旦休憩だ。)
がたん、と椅子を勢いよく下げて立ち上がり、財布を持って教室を出た。いつも通り、ポケットに手を入れ、大股で歩く。何故か普段より人が自分を避けているような気がするが別に気にしない。大方、俺が女子に睨みを効かせているからだろう。
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みうし(プロフ) - めっっっっちゃ好きです……………何故もっと早く当作品と出会わなかったのだろうと後悔しております。手紙の主を漸く発見した彼が、大嫌いな幼馴染に嫉妬してしまうシーンなんか本当に大好きで何回も読み直してしまいました。続編めちゃくちゃ楽しみにしています！！ (2020年3月6日 22時) (
レス) id: f1ae5cae79 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ツカ鶴 | 作成日時：2020年1月19日 20時
