…クソが、 ページ19
結果から言うと、次の日、Aは学校に来なかった。次の日も、その次の日だって、あいつが俺の前に姿を現すことは無かった。
先生に必死に情報を聞き出したところ、どうやらあいつは、俺に爆破されたことを隠して、自分で火傷をしてしまった、と医者や学校に説明していたようだった。
(ッ、どこまであいつは……ッ！)
本当に、あいつはどこまで優しいんだ、と泣きそうになる。傷つけたのは、俺なのに。
ぐしゃぐしゃと髪を掻く。目頭が熱くなった。
ガララ、と教室を開ける音に俺はバッ！と視線を上げる。見ると、そこには俺が傷つけた女が腕に包帯、顔には大きな絆創膏を貼って立っていた。
スタスタ、と他の奴らが心配して話しかけてくるのに対応し、俺とは一切視線を合わさず席に着く。
悪かった、その一言が言えればいいのに、俺の喉からは声が出ない。ぱくぱく、と口が開閉するだけ。
(ごめん、って、怪我させて悪かったって、)
(そんだけでいーのに、)
(俺はこんなに弱かったんか、)
(ヒーローになるどころか、こんなの、)
『ヴィランと同じですよ』
いつかの手紙で言われたAの言葉だ。
…ほんと、
(ヴィランかよ、)
ぐっ、と握った拳には、痛々しい爪の跡が残った。
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みうし(プロフ) - めっっっっちゃ好きです……………何故もっと早く当作品と出会わなかったのだろうと後悔しております。手紙の主を漸く発見した彼が、大嫌いな幼馴染に嫉妬してしまうシーンなんか本当に大好きで何回も読み直してしまいました。続編めちゃくちゃ楽しみにしています！！ (2020年3月6日 22時) (
レス) id: f1ae5cae79 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ツカ鶴 | 作成日時：2020年1月19日 20時
