どっちもどっちも大好きなの【栗花落カナヲ】

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私は炭治郎のことが好きだった。
心から愛していた。
でも、この気持ちは叶わなかった。

だって、彼には想い人がいたから。

私はこんなにも好きなのに。愛しているのに。
この愛は一方通行だった。
皮肉な話ね。


でもその想い人は、私も大好きな人だったのよ。








ねぇ、A。
初めて会った日のこと、覚えてる？

最初はAのこと、変わった子だな、としか思ってなかったの。

でも、でもね。
一緒に過ごしていくうちにどんどんAのことが大好きになっていったの。

Aから貰った言葉があったから、今の私があるの。
幸せも、愛しさも、悲しみも、守りたいって思いも、恋焦がれる思いも、喜びも。

貴方がいたから知ることができた。貴方が教えてくれた。

Aといる時間が、凄く凄く幸せだったの。



私と友達になってくれてありがとう。
貴方がいたから誰かを大切に思う心が育まれたの。
幸せだったの、凄く。貴方と過ごした優しい日々が。

そして、実の姉妹だったんだよね。吃驚しちゃった。

でも私、Aと姉妹だったこと、凄く凄く嬉しかった。


炭治郎がAのことを好きだと知った時は嫌いになってしまいそうだった。でも、なれなかった。
嫌いになりたくてもなれなかった。

炭治郎のことも好きだけど、Aのことも大好きだから。
どっちもどっちも大好きだから。



ねえ、もし、もしも。
生まれ変わりがあるのなら。
姉妹としてでも友人としてでも、どんな形であっても構わないから。

貴方の隣に、ずっといたいな。



今度は一緒に、生きようね。






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