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「あ、ごめんなさい!こんなに質問攻めしちゃって…」



お恥ずかしい…と眉を下げて謝るA。
マシンガントークは恋柱様譲りなんだな、と思ってしまったのは秘密。



「指示されてないことはこれを投げて決める。
どうでもいいの。全部どうでもいいから、自分で決められないの。」



手元の銅貨を見つめてそう答える。

Aは心底不思議そうな表情をした。
でも次の瞬間、ふわっと優しい笑みを綻ばせ私の手をぎゅっと握って視線を合わせた。

牡丹のような透き通った紫紅の瞳が私を捉える。
ああやっぱり、私の瞳の色とそっくり。
でも私の瞳はこんなに綺麗な輝きを宿してない。
同じ色なのに、何故こんなにも違うのかしら。



「…世の中にどうでもいいことなんて、ないよ。全部全部、自分で決めて良いんだもの。
決める権利が、一人ひとりに与えられているんだよ。」



その言葉が脳裏にこびり付いた。自分の意思とは関係なく、何度も何度も頭の中で再生される。

___世の中にどうでもいいことなんてない。全部全部、自分で決めて良い。決める権利が、私にもある。


どきり。心臓が跳ね上がる。身体中の血液がぐつぐつ煮えるような感覚。息の吸い方すらわからなくなるくらいの動揺。



初めて、そんなこと言われた。

生まれて初めての言葉に、思わず目を見開いてしまう。身体中の(ほとぼり)が冷めない。



「だってね、人の心は原動力なの。心の強さには限界がないの。だから、強くなろうとすればその分、心は強くなれるの。」



さんさんと照りつける太陽よりも輝かしい笑顔で、そう言われた。誰かの笑顔がこんなにも輝かしく見えたことは初めてだった。

口から何も出てこない。何かを言葉にしようとしても温い空気に溶けてしまう。


でも、繋がれた手の温もりはしっかりと感じていた。

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hikari - この作品、めちゃくちゃ面白いです! (2022年4月24日 19時) (レス) id: 65eb06c570 (このIDを非表示/違反報告)
美咲 - もし作ることができれば、『<番外編>』を、作ってほしいです。 できますか? (2022年4月7日 17時) (レス) id: 65eb06c570 (このIDを非表示/違反報告)
若菜 - 見ていて、悲しくなって、泣きそうになりました。素晴らしい作品ですね。 (2022年3月13日 15時) (レス) id: 65eb06c570 (このIDを非表示/違反報告)
琴音 - 切ないところもあったけれど、キュンキュンしました!ありがとうございました🙇 (2022年3月12日 17時) (レス) id: 65eb06c570 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうな(プロフ) - コメント失礼いたします。とても切なく、それでもあったかいお話で感動しました。同時に、このお話の夢主目線のお話も見てみたいなと思いました。もしお時間があり、いいなと思っていただけたらそんなお話も作っていただけたら幸いです。 (2020年11月3日 21時) (レス) id: 51a3f09150 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:白霞 | 作成日時:2020年5月30日 19時

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