繋ぎ止めて ページ19
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談笑の中で、如何にして彼らがアイドルになったかという話や、大規模なオーディション番組が行われたことを知る。彼らのMVも見せてもらったため先程の普通だった姿とは違い、華やかな姿やはり彼らはアイドルなんだと実感した。
ふと時計を見ると20時半を過ぎた事に気づき、あまりにも長居してしまったことに驚いた。
『あ!ごめんなさい、もうこんな時間…私お暇します!長居してしまってごめんなさい!楽しい時間ありがとうございました。久しぶりに人と囲む食事が出来て嬉しかったです。純喜くんのカルボナーラ美味しかったです!』
純「また食べに来てや!」
景「え〜帰っちゃうの?」
奨「気にしなくていいのに…」
慌てて荷物をまとめると、足早に玄関へと向かう。
みんな私を見送るため着いてきてくれて、ヒールを履くと向き直す。
『今日はありがとうございました。テレビの前から応援しています!それでは!』
純「え〜その今生の別れみたいなん辛いなあ…」
奨「またおいでよ!これも何かの縁かもしれないし!」
翔「Aちゃんの手料理も食べたいし」
祥「翔也はご飯食べたいだけでしょ」
『……嬉しいです。また機会があれば、今度はご馳走させて頂きたいです!…では、おやすみなさい』
一礼をして出ていこうとドアに手をかけると後ろから鶴房くんが「送ります」と声をかけてくれた。家が近い事を告げるも、蓮くんが「汐恩送ったげて。女の子がこんな時間に一人は危ないけん」と心配そうな顔をするので、厚意に甘えることとした。
蓮「汐恩頼むね」
鶴「はいはい、いきますよ〜」
みんなは「ばいばい、おやすみ、またね」とドアが閉まるまで手を振ってくれ、心が温かくなる。
鶴房くんに向き直るとまた彼は歩幅を合わせて歩いてくれた。マンションが隣の隣だと告げると「マジすか?ちっか!」と言いつつも、きちんと前まで送ってくれた。
ありがとうを告げるも、黙り込んだ彼はじっとこちらを見つめて口を開く。
鶴「今日はいきなり脅かしてすんませんした、あの、またみんな会いたがってたんで連絡先教えてもろてもいいっすか…?」
『……え、逆に大丈夫ですか、』
鶴「あかんかったら自分から言わんから大丈夫すよ」
それもそうか、と妙に納得して連絡先を交換した。
私の数少ない連絡先欄に“鶴房汐恩”と表示されているのを見ると、なんだかむずかゆい。
社会人2年目、上京してきて初めてできた仕事以外の知り合いは国民的アイドルだった。
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sour(プロフ) - はなさん» はなさん、不慣れなもので……ご親切に教えていただきありがとうございます!! (2021年11月27日 21時) (レス) id: 6bf6ad2f5e (このIDを非表示/違反報告)
はな(プロフ) - オリジナルフラグたってますよ……! (2021年11月27日 16時) (レス) id: 1f4f011eda (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:sour | 作成日時:2021年11月26日 14時