【ヒロアカ×コドブレ】英雄と悪の交奏曲《リメイク》 (ページ3)

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マ『受験生のリスナー!今日は俺のライブにようこそ!エビバディ、セイ"ヘイ"!』

雄英高校、試験説明会場。
そこではプレゼント・マイクが壇上に立ち、大勢の受験生に試験の説明を行っていた。彼は大音量で呼びかけるが、無反応なのが悲しい。
そして、他と同様に口を閉じたAはというと、

貴(早く終われ…!こっちは推薦だから、特に何もなければ合格なんだよ…!)

笑顔を浮かべながらも、マイクのデカい声と待たされる事に、内心苛立っていた。
碌に学校など行っていないコードブレイカーだが、多くの悪を裁いてきた以上、内容は分からないが試験など楽勝だろう。故に、この待ち時間は苦痛なのだ。

「ボイスヒーロープレゼント・マイクだよ凄いラジオ毎週聞いてるよ感激だな雄英の講師は皆プロのヒーローなんだ――」

あと、前の席の男子が別の意味でうるさい。その隣の爆発頭の男子が『うるせぇ』と言わなければ、確実に蹴っていた。

マ『入試要項通り、リスナーはこれより10分間の模擬市街地演習を行ってもらうぜ!』

その後の説明を要約すると。
・各自、指定の演習会場に配置された仮想敵を攻略する事で、ポイントを稼ぐ
・個性の使用は当然OK。持ち込みも自由
・他人への攻撃はご法度
・各会場に一体、0Pのお邪魔虫の敵もいる

貴(バトルロイヤルが良かったなぁ…。他の連中全員倒して、私だけ合格ってね)

過激な事を考えながら、Aは笑みを浮かべる。他の者が見れば卒倒しそうなほどの、獲物を狙う獣のような笑みを。

マ『俺からは以上だ。最後にリスナーへ、我が校の校訓をプレゼントしよう』

そしてマイクは、今までのふざけた様子から、何処か真剣な表情に変わる。

マ『彼の英雄、ナポレオン・ボナパルトは言った。「真の英雄とは、人生の不幸を乗り越えてゆくもの」と!更に向こうへ――Plus Ultra!!』

それでは皆、よい受難を…!と言ってマイクは去っていく。
前の席の男子は興奮した様子だが、Aは相変わらず冷めたもの。

貴(『真の英雄とは、人生の不幸を乗り越えてゆくもの』ねぇ…。下らない、不幸を乗り越えるのに英雄も悪も関係ないさ…。ただ、地獄から自力で這い上がる覚悟があるかないかの違いだけ。それが出来ない奴は野垂れ死ぬだけだ。それを…)

悪の自分が教えてやる…!と、Aは実技会場へと向かった。