真実を知るべからず

4話 ページ4

『片山はーん、朝御飯出来たでー』
「あと5分…」
『…起きひんかったら首落とすで』
「おはようございます」

明石の声でベッドから起き上がる男
この人物の名は、片山(かたやま)翔(かける)
一時的に明石を保護している政府の役人だ

翔「朝から物騒な事を言うなよ…」
『起きひんあんさんが悪い。起こしてって言うたんは誰や』
翔「俺です」

明石は政府に拘束(と言う名の保護)をされてからずっと、片山と暮らしている
理由は、片山が明石にPCを貸した本人だと言う事と、明石の様に刀剣が審神者を殺害したケースを担当したのが初めてでは無いからだ

翔「今日でこの生活も終わりか…」
『…その節はお世話になりました。片山はんには、返しても返しきれんくらい恩があります』
翔「そんな大袈裟な。俺は役人として当たり前の事をやっただけだよ」

今日で明石は新しい審神者の元へと送られる
その新しい審神者は、片山の知り合いの審神者の弟子
政府内で「まさにお手本」と呼ばれている程のホワイト本丸だ

『新しい本丸で仲良う出来るか不安やわ…』
翔「大丈夫。そこの審神者の人柄は俺が保証するし、明石の性格であれば好かれると思うぞ?
特に燭台切や歌仙にな」
『せやったらええけど…』

明石は未だ、不安を抱いていた
初めての主が歴史修正主義者であり、自分の手でそれを殺めた
そんな自分を他の本丸が受け入れてくれるのかと

翔「何かあれば連絡して来い。ここは、お前の第二の家だからな」
『…ありがとう、ございます』

その日、今まで通りに政府の食堂で働いた後、片山の立会の下、新しい審神者が迎えに来た

『初めまして、明石国行言います』
「初めまして。審神者名は『誠(まこと)』と言います」

しかし、この出会いが明石に更なる試練を与える事となるとは、この時誰もが考えてもいなかった

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