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#05『壁ドンされてみた』 ページ5
ドンという音と、背中に鈍い感触がするかと思っていたが、そんなこと思ってる暇はない。
今現在、私は想いを寄せているあの八乙女楽に壁ドンをされている。
「……ちょっと、何この状況」
「どう見ても壁ドンだろ」
「いやそうだけどさ」
楽の方へ目線を向ければ、すぐ目が合ってしまって、恥ずかしい。
距離も近いし、これでドキドキしない方がおかしい。
「女って、壁ドンにドキドキすんだろ？」
確かに、壁ドンはドキドキするが、私がドキドキしてるのは好意を寄せているからでもある。
どうせこの男は私が好意を寄せてるのも知らずにやってきたんだろうけど。
「いや、好きな人にしかドキドキしないから」
「じゃあ、Aの好きな人は俺だな」
は？とつい思って目線を上げ、目が合うと楽はこう言った。
「すっげぇ顔真っ赤」
そう言われてハッとし、すぐに目をそらす。
赤くなった顔を隠すかのように。
すると、楽が壁ドンをやめ、去ろうとする。
「ちょ、どこ行k……」
「告白、待ってるぜ」
そう微笑んでから去る楽は、今まで見た中で1番カッコよかった。
「あー、もう……アイツといるといっつも調子狂う……」
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作者名：ローザー | 作成日時：2018年5月19日 14時
