#01『抱きついてみた』 ページ1
私、Aは30でヤクザの彼氏がいます。
年の差が原因なのか、あまり発展はないんです。
遠慮してるのか分かりませんが。
とにかく、私は今のままじゃ満足しない!
だったら、私から仕掛けてやる!
コンコン
「左京さん、入っていいですか〜?」
「Aか、構わん」
許可が降りたところで、私はドアを開けて部屋に入る。
左京さんは、台本を読んでいた。
「熱心ですね」
「手は絶対抜かないからな」
その一言を聞いて、劇団に人一倍熱心なんだなぁと、改めて思う。
おっと、本来の目的を忘れるところだった。
「左京さん、ちょっとこっち来てください」
「なんでだよ」
「いいから、お願いします!」
台本を置いて、私の方へ近付いてきた。
近づいてくるなり、私は左京さんに抱きついてみた。
「ばっ……!なんの真似だ!」
「左京さん、私進展なくて不安だったんですよ。ハグもしてくれないし、キスだって、まだ…」
恥ずかしくなって、顔を伏せると、左京さんに抱き返された。
「はぁ……こっちだって安易に年下に手を出すわけにはいかねぇんだよ。年の差があり過ぎてる」
やっぱり、左京さんは年齢を気にしていた。
でも、私はそんなの関係ない。
「別に、私は左京さんにならどんなに手を出されてもいいですよ」
「……ふ、生意気なガキだな」
左京さんは、私の頭を軽く撫でたあと、
唇を重ねて、私のファーストキスを奪った。
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作者名:ローザー | 作成日時:2018年5月4日 22時