二度目まして、ヒーロー!【ヒロアカ二次創作】 (ページ9)

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【9】心の決意表明×2 ページ9

イレイザーと過ごす、初めての入院生活in異世界！を始めてから1週間が経った。

あれからというものの、彼は殆ど毎日病室に顔を出してくれている。ヒーローのアフターケアにしては厚遇がすぎないか？と少し気がかりだが……その辺りは今は気にしないことにした。

そして。

『明日、退院……かぁ』

　いよいよ私には、お医者さんから退院の許可が降りた。

かなり弱っていた私の体だが、点滴とかイレイザーへの愛とか何やらによって非常にハイスピードで健康的になっている……ここ笑うとこだぞ？
「他の同年代の子に比べればまだガリガリだけど」と少々心配げに呟きながら、それでも退院するには十分だろう、と担当医は言った。

まあつまり私は明日、名も知らぬ誰かの養子となるか……あるいは施設に放り込まれるか。そういう運命にあるのである。

『んん～………』

真っ白なベットにぼふっと倒れこむ。

イレイザー……相澤さんと会えなくなるのは寂しいけど。

別にどこに行こうが、誰が家族になろうが、私のやることは揺るがない。

私は、ヒーローになる。

実は前の世界の時から、「もしヒロアカの世界の住人になれたらヒーローになりたい」なんて考えていたのだ。なんか痛い感じするかもだけどほんとにそう思ったし、素直に憧れていた。

そしてこちらに来てからイレイザーに助けられた時。彼は私に多大な安心感や頼もしさを感じさせてくれた。……推しだからというだけじゃない、確かな“ヒーロー”の気配を肌で感じて、そこで改めて憧れた。

私も彼のように、彼らのように誰かを救えるヒーローになりたい……いや、なるって決めたから。
だから、揺るがない。

……けど、

『やっぱ不安は不安、だよなあ……』

「何が不安なんだ？」
『ん゛っ』

バッとドアの方を見ると、そこにいたのは見慣れた顔で、ほっと息をつく。

『びっくりさせないでください、相澤さん……』
「悪いな」

悪いと思ってねえだろこの人。思わず顔がひきつった。

『私、明日退院なんです』
「ああ、らしいな。さっき聞いた」

と、途端に相澤さんの顔が曇る。何だ何だ？

眉間の皺で目付きの悪さが3割増し状態の彼は、どうやら何かを考えている様子。いや、これは何か迷ってるのか？何にせよ、普通の子供ならこの顔見ただけで泣きそうだ。

長い沈黙を経て、意を決したらしい彼は、私の目を見て言った。

「おめでとう、の前に……実はな、大事な話が、あるんだ。聞いてくれるか？」