二度目まして、ヒーロー!【ヒロアカ二次創作】 (ページ8)

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【8】まっくろくろすけ(包帯付) ページ8

あらすじ。

病室抜け出して看護師さんに抱きつきに行こうと思ったら病室の椅子にイレイザーヘッドがいた。寝てやがる。以上！

ごめん私もわけわからん。というかなんか口滑って下心が漏れた気がするね？気のせいだぞ諸君、いいな？

　しかし何だってこんなとこにいるんだこの人……忙しいだろうに。というか合理性の鬼なのに。

……私のことを心配してくれた、とか？

その時ふっ、と目の前の人の目蓋が開いた。

『！』

「おお、起きたか。良かった」

おおっとやめろ突然の起床からの微笑みコンボ！！それはずるい！！てかまじで心配してくれてたんだ！！

……いや落ち着け、どうどう。冷静になろう、今の私は子供、子供……

なりきって、言わないと。

『あなたは、ヒーローですか…？』

「ああ、ヒーローだ」

『そう、ですか』

そう。ふざけちゃいたけど実は、一番に伝えたいことがあった。

きっとしばらく仕事をしていなかったであろう表情筋はひどく痛む。それでも笑わないといけないと思ったから、

『助けてくれてありがとう、ヒーローさん』

精一杯の笑顔で言った。

無理矢理動かしたからか、やはり私の表情筋は全うに働いてくれなかった。ひどい顔だろうし正直恥ずかしい、けれど。

この言葉の価値、この笑顔の価値なら私にだってよくわかるから。
それに、やっぱ純粋に伝えたくなっちゃったからね、仕方ないね！ヒーロー様々だ！

「……どういたしまして」

そんな私を見たイレイザーは、最初に出会った時みたいに少し驚いた顔をしてから、笑った。今度はなんと抱擁のオプション付きである。

こんなぼろぼろのちびっこに笑顔で礼なんてされたら、さすがの彼も庇護欲には勝てなかったのだろうか？そういやイレイザー猫好きだもんな……まあ、何にせよ。

初めてのようなひさしぶりのようなその暖かさが、萌え的な意味でもなく、ただひたすらに、ひどく嬉しく感じられたことは確かだった。