なんでも屋【雪男】 (ページ5)

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康二「ほな出発するで〜」

照「はーい」

「…」

朝ごはんを食べ終えて車に乗り込むとAはすぐにフードを被って寝てしまった。

運転席に康二、助手席には俺。後ろにAが居る

康二「…あんま寝れてへんのかな？」

照「どうなんだろうね」

康二「移動の時はいっつも寝てるやん？夜寝れてへんのかなぁ…」

照「前は魘されて顔色も悪かったから、心配だけどいくら聞いても話してくんないからね」

基本的にAは自分の事を話してくれない

過去の事は勿論

楽しい、

嬉しい、

悲しい、

辛い、

などの感情も話しているところを見たことがない。

康二「ふっかさんでも聞いたことないらしいで」

照「それじゃあ誰にも言ってねぇな」

俺らは今日みたいに依頼された日に偶然その場に居合わせて引き取ってもらった人達でふっかが1番初めに引き取られたらしい。

そんなふっかも知らないならもう俺らもお手上げだな、と思わざるを得なかった。

しばらくして目的地に到着しAを起こす。

そこはよくある一軒家で特におかしなところはない…が、少し他の家より敷地が広い。

地下でもあるのか？

照「A。着いたよ」

「ん…分かった」

後部座席でスヤスヤと寝ていたAを起こして外に出るとAはナイフや銃を懐に隠し始める。

俺はナイフ1本をジャケットの中に隠す。

「じゃあ全部終わったらここに戻ってくること。目標は10分以内」

康二「じゃあいくで…よーい、スタート！」

控えめに康二がスタートと言ったら俺はジョギングくらいのスピードで走り、Aは歩き始めた。

いくら夜中とはいえ車は通るからそれらしい人にならなければいけない。

ターゲットの家まで走り、事前に用意されていた鍵を使って自分の家かのように扉を開ける。

ゆっくりと閉じて2階の寝室にいるターゲットまで足音や息を殺して近づく

中に入るとおそらく30代から40代の男と女がぐっすりと寝ていた。

男は事前に用意したナイフで即死させる。

女は首に縄をかけて近くに足場になるような台を置いて自分で命を絶ったように見せかけて殺す。

心中だと見せかけるために女に男の血を浴びさせナイフをしっかりと握りしめて指紋をつける。

そして出る時に怪しまれないように上のジャケットを脱いで丸める。

写真を撮って部屋を出ようとすると携帯から電話が鳴る。