なんでも屋【雪男】 (ページ30)

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side:you

あの人が康二にナイフを向けた時、なぜか攻撃がゆっくりに見えた。

攻撃だけじゃない、驚いて動けない康二も、窓の外に見える鳥もなぜかゆっくりに見える。

それでも時は流れる

頭で考える前に体が動いていた。

動くと同時に銃の引き金を引く、ナイフを構える

部屋に鳴り響く銃声

グサッと肉塊を切る感覚

真っ赤な光景と、動かない体

いたい

康二「A…さん…？」

ボス「…はは、やってくれたものだ…厄介な」

「しぶ、とい」

腕を撃たれ、鳩尾辺りから流れる大量の血液。こいつはそれでもなお動き続ける

もはや気持ち悪い

康二「A…さ、」

「こうじ、殺って」

康二「な…」

「はやく」

康二「っ…」

そういうと暫くして後ろからドサッと音が聞こえた。

かと思うと誰かに抱えられて少し体制が起き上がる

ポロポロと私の顔に水が当たる

視界がぼやける

康二「み、みんな。Aさんが、刺されて…ｸﾞｽｯ」

翔太「刺された？何があった？」

康二「ｽﾞｽﾞｯ…なんか、ボスと言うやつがおって、なんか知り合いっぽかってんけど、ｸﾞｽｯ…俺、分からんくて、足引っ張ってしもて…」

照「今から行くけどどこ？オーバー」

康二「…4階」

岩本「了解」

康二「血が、血が止まらんくて」

阿部「康二落ち着いて、止血はできない？オーバー」

康二「巻くもんが…ｽﾞｽﾞｯ、お腹分の巻く布が無いねん」

阿部「シーツとかもない？オーバー」

康二「あらへん…」

佐久間「あ、カーテン！カーテンは！？止血に使うなら十分じゃない！？」

涼太「それだ、カーテンをとって余分な部分は切り取れば…」

康二「遮光カーテンやけど分厚すぎひん？大丈夫なん…？」

阿部「遮光カーテンの裏に無い？普通のカーテン」

康二「無かったで…」

蓮「遮光カーテン半分に切っちゃえば？ティッシュみたいにさ、薄い1枚にすれば…」

康二「や、やってみる！」

イヤモニから康二たちの会話が聞こえてくる。

その後ゆっくりと頭を下ろされてカーテンを取って破り始める

すると後ろからﾊﾞﾝｯ!と音が聞こえてきたけど、私の意識はそこで途切れた。