なんでも屋【雪男】 (ページ3)

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side:Raul

お父さんとお母さんは昔から厳しい人達でどんな事もできて当たり前、と言われて育った。

違和感を感じ始めたのは10歳の時で家庭教師が付いたのは5歳の時

問題に間違えたりできなかったりすると大体1ヶ月はいつも地下に閉じ込められている。

ここにいる間はまともにご飯も食べることができなくていつも両親の残飯を食べて飢えをしのいでいた。

今日は地下に閉じ込められて3週間目、もうすぐで地下にいるのも終わるな、と考えているとドアがｷﾞｨと音を立ててゆっくりと開く

そこには謎のフードを被った人がいた。

その人の足元には赤い水溜まりのようなものができている。

僕を恐らく上から下まで見ると引き出しの中身を漁って何かを見つけだす。

それはお母さんがお父さんには内緒で隠していた宝石だった。

その人は赤や青、紫、白など色々な宝石をカバンの中に入れると僕をじっと見つめる。

ラウ「僕…外に出ちゃダメで、ここにいる時はご飯も貰えないから…」

「はぁ、本当に金持ちってろくなこと考えないよね。可哀想に、だからこういう奴らが襲うんだよ」

その人はフードを外すとふわりと中から髪の毛が流れ落ちて行く。

彼女は青色の目を持っていて宝石と同じように輝いていた。

初めて見たその瞳はとても綺麗で恐ろしかった。

ラウ「親に外は危険だと言われて、まだ1度も外に出たことなくて…」

「…例え親でも耳にした情報全てを信じちゃダメだよ。疑って損はしないからね。」

『精々人の話に踊らされないで生きることだね』

そう言うと彼女はこの部屋を出ようとした。

ラウ「ぼ、僕も…俺も！貴方みたいに生きたい！外に…出たい。」

「…」

俺は彼女のカバンを掴んで引き止める。

動きが止まって少し怖いけど今の言葉は本音だ。

俺も外に出て、彼女みたいに俺のような人を助けたい。

彼女の隣で恩返しがしたい

しばらく黙ったかと思ったら携帯を取りだしてどこかに連絡をしてこちらを見つめた。

俺が掴んでいた手を無理矢理剥がしてカバンの中からハンカチと小瓶を取り出す。

俺にいくつか質問した後に彼女は俺の口元にハンカチを抑えた。

しばらくすると意識が朦朧として眠気が襲ってくる。

「ようこそ。こちらの世界へ」

その言葉を最後に俺の意識は途絶えた。