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ﾊﾟﾘﾝｯ
ﾄﾞﾀﾊﾞﾀ
ｺﾂｺﾂｺﾂ
ｶﾞﾁｬｯ
？「だ、誰…ですか…」
「ん？まだ誰か居たんだ…ボロボロな服」
1人の少年と1人の男か女かも分からない黒いフードを被った謎の人物。
少年を上から下まで見ると引き出しの中身を漁って何かを見つけだす。
それは何かの宝石のようで月光に照らされ光り輝いている。
手に持った宝石をいくつかカバンの中に入れてこちらをじっと見つめる。
？「僕…外に出ちゃダメで、ここにいる時はご飯も貰えないから…」
「はぁ、ほんと金持ちってろくなこと考えないよね。可哀想に、だからこういう奴らが襲うんだよ」
フードを外すとふわりと中から髪の毛が流れ落ちて行く。
日本人には珍しい青色の目を持っていて宝石と同じように輝いている。
？「親に外は危険だと言われて、まだ1度も外に出たことなくて…」
「…例え親でも耳にした情報全てを信じちゃダメだよ。疑って損はしないからね。」
『精々人の話に踊らされないで生きることだね』
そう言うと彼女はこの部屋を出ようとした。
？「ぼ、僕も…俺も！貴方みたいに生きたい！外に…出たい。」
「…」
少年は彼女のカバンを掴んで引き止める。
「もしもし。」
「…うん、けど君と同じような子供がいる。」
「もちろんそのつもり。地下にいる。来て」
しばらく黙ったかと思ったら携帯を取りだしてどこかに連絡をしてこちらを見つめた。
少年が掴んでいた手を無理矢理剥がし、カバンの中からハンカチと小瓶を取り出す
「君、名前は？」
ラウ「名前…ラウール」
「…ラウール。この先は君が想像しているよりも険しくて汚い大人の世界。
きっと君が望んでいるようなキラキラとした世界は二度と見れない。
それでも君はここから出て、
私に着いて行きたい？」
ラウ「うん。俺は貴方みたいになりたい。」
「…ははっ、変わってるわねラウール」
迷いのないその言葉を聞き彼女はラウールの口元にハンカチを抑えた。
しばらくすると意識が朦朧として眠気が襲ってくる。
「ようこそ。こちらの世界へ」
その言葉を最後にラウールの意識は途絶えた。
「 」
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作者名：はねちゃ | 作成日時：2023年12月22日 21時
