青い蝶は東に降りる (ページ4)

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再開ページ4

私は家に帰り、購入した本を読んだ。
中々、面白い内容だった。
特に色々と考えさせられた。

”光が正義だとは限らない”
”真の正義もなければ真の悪もない”
”誰かの正義は誰かの悪になる”

このワードが印象的だった。

私はヒーローは嫌いじゃないが
綺麗事は大嫌いだ。

私は自分の力を自分の為だけに使うのは悪い事だとは思わない。
でもヒーローが出てくる話では悪い事だと言われる。
特別な力とは、その人にとってのアイデンティティに繋がる。

自分の力は自分だけのモノなのに
誰かのために使いなさいだなんて…
あまりにも酷すぎないか。

自分の人生を他人の幸せに費やすのは残酷だ。

もちろん、知らない誰かために命をかけている仕事をしている人は素敵だと思う。

そう思う私はおかしいのだろうか？

礼奈「…はぁ、嫌になるわ…。」

本の世界にのめり込んでしまって、憂うつになってしまった。
気分をリフレッシュするために
ココアを飲もうかな。
折角だから、ウィンナーココアを作ろう。

ピンポーンとインターホンが鳴り響いた。
礼奈(誰かしら…？)

恐る恐る扉を開けた。

聞こえてきたのは明るい声だった。

Hr「礼奈、久しぶり！」
礼奈「ヒロ…!?どうしてココに…？」

彼は工藤ヒロユキ。
小学生の時からの幼なじみだ。

Hr「どうしてはこっちのセリフだよ！いつの間に引越したの!?連絡してくれたら荷物を運ぶの手伝ったのに！」
礼奈「あはは…」

私は苦笑いで返す。
私は彼に引越しの詳細を話した。

Hr「えっ!?礼奈って大学院に行ってるの？」

私は第1志望の大学院に合格して、一人暮らしを始めたのだった。

ちなみにヒロユキに話さなかったのは普通に忘れてた。
私は高３までスマホを持っていなかったから、ヒロユキの電話番号は知らなかった。

礼奈「そういやヒロ、その服は何?制服みたいね。」

ヒロユキは照れながら目を伏せた。

Hr「似合う…？」
礼奈「まぁ似合ってんじゃない？」
そう答えると目を輝かせた。

Hr「ありがとう！礼奈に言われると嬉しいな。」

何だか昔と変わらないな…。
彼の優しさと誠実さは私にとって眩しすぎる。

礼奈「立ち話もアレだから、少し入る？」

Hr「いいの？」
礼奈「ヒロに用事がなければの話だけどね。」

Hr「それじゃお邪魔しまーす！」

ああ、ヒロが家に遊びに来た時を思い出すな…。