青い蝶は東に降りる (ページ16)

今日:2 hit、昨日:5 hit、合計:4,745 hit

交渉ページ16

霧崎「…私を知りたい…ですか。」

さて、この発言…。
彼にどう捉えられるだろうか？

ダメだ。逆光で彼の表情がよく見えない。

霧崎「いいですよ。でも、私だけ個人情報を渡すのはフェアじゃない。」

フェアじゃないって…論理的に考えるな…。
でも、彼の言う通りだ。

礼奈「…どんな情報が欲しいんです？答えられる限りは話しますけど…。」

霧崎「貴方しか知らない東光太郎が知りたいんです。」

え…？

礼奈「そんなのでいいの？」
霧崎「ええ、勿論。私はアーカイブでしか彼を知りませんから。」

アーカイブ？

礼奈「…場所を替えましょうか。」

私と霧崎さんは近くのカフェに向かった。
歴代隊員として情報が掲載されているのか？
ダメだ。情報が多過ぎて頭の中でパンクしそう。

霧崎「素敵なお店ですね。」
礼奈「ええ、キレイなアンティークが沢山あるわ。」

カフェの内装はイギリスの喫茶店のようだった。
私と彼はテーブル席に座り、
私はカフェオレ。
彼はカフェモカを注文した。

礼奈「…では、どちらから話しますか？」

霧崎「私から話しましょう。私は貴方よりも”彼”を知りたい…。」

彼の声は耳に
いや…違う。脳裏に絡みつくようだった。
そして、彼の表情は恍惚としていた。