トラジャ異世界

＊ ページ14

最後らへんのページの端に小さな項目で書かれていた。

「怪しすぎだろ。もっとまともな感じに書けよ馬鹿じゃないの。

鼻で笑いながらそう呟いたものの、「即日高額報酬」というのは気になった。
即金で1、2万以上さえ手に入れば母さんの薬代もなんとかできる…。
日々バイトで酷使していた精神は、俺から充分な判断力を奪っていた。
その項目に書かれている電話番号をプッシュし、3回コール音が鳴ったあと、凛とした声の男性が応答した。

『はい、こちらMCL。モストロ対策研究所です。』
「求人見ました。応募したいんですけど。」
『………わかりました。少々お待ちください。』

こうして、俺はあるところへ呼び出された。

「実験の内容は、貴方の体内にある物を埋め込んで、日数経過で身体にどのような影響を及ぼすのかをモニターする、というものです。」

「モストロ対策研究所」、通称「MCL」は、東京のど真ん中にあった真っ白な施設だった。
どうやらここでは、数年前突如人類の前に姿を現した化け物(「モストロ」というらしい)への対策を考えているらしい。
政府公認でいかにもな研究をしているようだ。
で、そのいかにもな研究の内の1つに、協力していた。
なんで応募したんだよ、俺…。
後悔しかなかったが、もうここまで来たらすごすご帰るわけにはいかない。
それに、納得できない点もあった。

「は？日数経過？今日一日で終わるんじゃないんですか？」

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