三十五話 ページ10
『私の知っている範囲での現状としては、シーザー達はA塔から順にシノクニを流し込み、麦わらの一味、G-5、キャプテンを実験体として追い込んでいます。
ヴェルゴは恐らくG-5のいるB塔辺りに居るはずです。そこで黒足さんと交戦中。麦わらさんは私が先程いたシーザーの研究室に乗り込んだのを気配で感じました。白猟さんも居たようですが、ヴェルゴが居ないので辺りを探索中。』
｢麦わら屋と白猟屋が...｣
『今のところ、私はシーザー側にいる状況です。上手くあの部屋を抜けましたが、私はギリギリまで姿を消しておいた方が、いざと言う時に何かできるかも知れません。
ですがこの判断、キャプテンに任せようと思い、ここに来ました』
｢成程な｣
『私はキャプテンの指示に従うのみです』
キャプテンの表情は変わらない。
何かを読み取れる訳でもないような顔だった。
彼は帽子を少し深く被る。
｢A｣
『はい』
いつもの余裕かつ楽しそうな少し悪い顔をしてこう言った。
｢俺についてこい｣
『アイアイキャプテン』
警報ブザーなり始めた。そして扉が開き始める。
監視室の兵の声は慌てているようだ。
(おい、どうなってんだこれ)
(トラファルガー！ヴァイス！)
(全塔に緊急連絡！)
直後に建物全体にサイレンが鳴り始め、放送が流れる。
《こちらD塔！第3研究所全塔緊急連絡！
ただいま王下七武海トラファルガー・ロー、ハートの海賊団ヴァイス・AがSAD製造室に侵入しました！》
私たちはそんな放送を諸共せず、中へと歩を進める。
不気味な機械音があちらこちらに鳴っている。
『...予想はしてましたが、キャプテン、頭の中に最悪なシナリオ考えてましたね』
｢不服か？｣
『いいえ＿＿＿＿むしろ楽しみで仕方ありません』
『キャプテン、ヴェルゴの気配がまだ遠いですがコッチに近づいています』
｢そうか｣
『私が相手しましょうか？』
｢いいや...個人的な縁があるんでな、俺がやる。手は出すなよ。俺のケジメだ。
『アイアイ』
結局隠れるなら最初からそうすれば良かったんじゃ？
｢＿＿＿
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作者名：つんてん | 作成日時：2022年8月25日 23時
