六十一話 ページ36
Bブロックが終わったことと、キャベンディッシュとチンジャオが居なくなったので麦わらさんを送り届ける。
その途中で先程の負傷者が運ばれてくる場所へと来た。
｢お前、なんで俺を応援しやがった？...みっともねェ、俺は何も変わらねェ｣
｢変わったよ、ベラミーは｣
｢変わったのはお前だ。俺のプライドはズタズタだ、麦わら｣
私は彼に今日初めて出会ったけど
彼は発言する言葉の一つ一つにしっかりと責任を持っていて、とても正しい言葉遣いな気がする。
麦わらさんの彼に対する｢変わったよ｣という言葉は、私にも少し分かったような気がした。
＿＿＿＿＿
『着きました、この階段の先が会場のはずです』
と、早く行かせたいものなのだが...チンジャオのご機嫌はまだ治らない模様だ。
『...麦わらさん、チンジャオにはなるべく接触は避けた方が身のためかもしれません。
あなたの命を確実に狙うのはチンジャオと抑え役の2人、サイとブーです』
｢あァ、めんどくせェおっさんだなァ｣
『...ご武運を』
麦わらさんの実力は分かっているつもりだ、けど
今回の出場者は隙を見せられない。手加減なんて以ての外だ。
すると麦わらさんは階段側に向けていた体の方向をぐるんと180度回転し、歩き出す。
私の目の前に止まったあと、顔を両手で挟まれ、強制的に目線が合うようになる。
彼は、ニッと笑いこう言った。
｢なーにつまんねェ顔してんだ？
エースの実は誰にも渡さねェ！必ず、勝つ！
分かったな？A！｣
『...はい、負けたら私も、エースさんも許しませんよ』
｢あったりめェだ！！｣
私の頭をぽん、としたあと先程の方向に体を向け、会場に行く。
私を慰めるかのような行動をした麦わらさん
彼は終始、太陽のような眩しい笑顔だった
そして絶対的な自身と、どこからか湧き出るか分からない信頼
こういう船長もいるんだな、と自身を持って体験させられた。
歓声がまた大きくコロシアムを反響する
《遂に出揃ったCブロック！139名の戦士たち！
バトルロイヤル勝者は誰だァァーー！！？
今、始まりの〜...！》
ゴングが、鳴った＿＿＿＿
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作者名：つんてん | 作成日時：2022年8月25日 23時
