五十九話 ページ34
試合を観覧していて、少し経つと背後からチンジャオが現れた。
あまり関わりは持ちたくないので私はできる限りの気配を消しておく。
すると、チンジャオは思わぬ発言をした。
｢ガープさんは元気かな？麦わらのルフィ君｣
なんと彼は変装をしていたのにも関わらず、麦わらさんの正体を見破ったのだ。
そこで麦わらさんは嘘を付ければ良かったのだが、｢じいちゃんと知り合いなのか？｣とチンジャオに聞き返し、キャベンディッシュにもバレてしまった。
チンジャオの話によると、昔、ガープさんにチンジャオは殺されかけて、それ以来は孫子の代まで恨むことに決めた。という何とも訳の分からないとばっちりを麦わらさんは受けてしまった。
麦わらさん何もしてないのに可哀想...
今度はキャベンディッシュにも麦わらさんが｢本当なのか？｣と疑いをかけられている。
まずい、今にでも剣を抜いて殺すつもりだ。
じりじりと間合いを詰められる。
私はチンジャオが来た時点で彼らと距離を少しだけ取っていたので今ピンチの麦わらさんをどうにかして助けなければ。
最初にチンジャオが攻撃を仕掛ける。
始まってしまった。
キャベンディッシュとチンジャオは、麦わらさんを標的にしている。だが、その2人がぶつかる。
普通に考えたら人間業じゃない張り合いをしている。まだ試合でもないのに！
チンジャオが2人にどんどん攻撃をしてくる。
｢やめろっつってんだろ！｣
麦わらさんが痺れを切らしチンジャオの頭を地面に殴りつけた。
麦わらさんの攻撃は結構強めにいった。でもチンジャオは効いていない様子だ。
麦わらさんの血筋と行いでこんな命狙われるなんて、結構可哀想に思える。チンジャオに限ってはとばっちり以外の何物でもないぞ？
｢待て待てジジイ！｣
｢ここで暴れれば失格だぞ！｣
｢おい君たち！そこで何してる！｣
｢試合以外の乱闘なら退場してもらうぞ！｣
...サイとブー！係員も来た！
タイミングは、今ッ！！
『麦わらさん！ちょっとすみません！
＿＿＿＿
また何か変な疑いをかけられても面倒だし、今は姿を消して遠くへ...！
私と麦わらさんは姿を消してあの現場から消えるように去っていった。
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作者名：つんてん | 作成日時：2022年8月25日 23時
