四十九話 ページ24
『...ジョーカー』
[懐かしいなと思ってな。お前にも会いたかったんだ]
『生憎ですが、私は一度も思ったことはありません』
ドフラミンゴが私に話を持ちかけたので先程まで騒いでいた一味も会話を興味深そうに、また真剣に聞き始めていた。
[フフフッ！冷てェなァ、あん時のお前は...]
『やめていただけますか。こんなところで私の話はされたくない』
[そりゃァ悪かったな、この話は終わりにしよう。
さてうちの大事なビジネスパートナーの無事を確認させてくれ]
シーザーの声を聞かせたあと時間と場所の指定をし、麦わらさんが強引に電伝虫を切った。
｢なァ、イス。お前ミンゴに会ったことあんのか？｣
『何年か前に、会ったことがあります。
...すみません、少し嫌な空気を作ってしまいましたね。先程のことは忘れてください。
あと、キャプテン、人数指定をしていませんが何か理由は？』
話題をシーザー引渡しの方へ促す。
私の過去はキャプテンも知らない。まだ知られる訳にはいかい。
｢Aちゃんの言う通り、相手が仲間全員引き連れて引渡しの場所にやってきたらどうする？｣
｢既にこの作戦においてシーザーの引渡しは囮のようなモンだ｣
｢その隙にSMILEの工場を潰すのが目的ってことか？｣
｢あァ、だがそれがどこにあるか分からねェ。工場の情報だけ何も得られなかった｣
工場なんてデカいのは行けば分かる、と言いたいものだがそういう訳には行かない。本格的に探す必要がある。
そのためにはある程度の時間も必要。成功するか正直分からないミッションだ。
｢トラ男ー！お前そこ行ったことあんのかよ？ドレスろうば！｣
『ローザです！』
麦わらさんっていつもこんな天然ボケをしているのか？私だったら疲れそうで仕方ないんだけど...
｢行ったことは...ない。ヤツの納める王国だぞ｣
｢ほんじゃ全部そこ着いてから考えよう！サンジー！今日の朝飯なんだー？｣
｢サンドイッチだ｣
あっという間にキャプテンそっちのけ。朝ごはんの流れになってしまった。
自由すぎて心配だが、逆にネガティブ過ぎても心配になる要素しかないので、こちらの方が動きやすいのだろうが。
｢...俺はパンは嫌いだ！...あッ｣
『安心してください、黒足さんにはキャプテンの嫌いなもの伝えてあるので』
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作者名：つんてん | 作成日時：2022年8月25日 23時
