三十八話 ページ13
私たち3人は目的地R塔へ向かっている。
｢必要なのか？これが｣
｢あァSADを運び出す為のトロッコだ。これに全員乗せる｣
『この研究所長くは持たなそうですねー』
｢文句があるなら降りろ｣
『思っているだけで口に出してません』
｢ガキの会話かお前らは｣
白猟さんに突っ込まれてしまった。
私はちなみにもう乗っている。2人だけで運ぶと言っていたけど、クリスにも手伝わせている。
既に大人数の姿がR塔に集まっていた。
｢お、トラ男！ケムリン！イス！そっちに居たのか！｣
｢麦わら屋、シーザーはどこだ？｣
｢あの扉ごとあっちの方へぶっ飛ばした！どこまで飛んだかな｣
『目的はぶっ飛ばすじゃないですよ、麦わらさん...捕まえなきゃです』
｢あんなヤツもう捕まえんのイヤだ！｣
｢イヤでもそういう計画だ。逃げられたらどうしてくれる！さっさと追うぞ！｣
今のところ気配はこの先にある。
でも...誰かいる？
｢全員急いでトロッコに乗れ！｣
キャプテンの声にハッとし、子供たちは次々とトロッコに乗っていく。私も手伝わないと。
『乗るの難しそうな人はお姉さんが運ぶよ〜』
｢え、いいの？｣
｢俺も無理そう！｣
｢僕も！｣
『いいよ〜準備はいい？＿＿＿＿
｢わぁー！｣
｢空飛んでる！｣
｢浮いてるー！｣
『はーい到着〜いい子で待ってるんだよ！困ったらあのオレンジの髪のお姉さんに言ってね〜』
｢はーい！｣
｢お姉ちゃんありがとう！｣
｢面白かったー！｣
子供たちから離れると泥棒猫さんに話しかけられた。
｢面倒見がいいのね｣
『いえいえ、あとごめんなさい。勝手に子供たちに頼ってねなど言ってしまって...』
｢元より私が助けたいってお願いしたんだもの、頼ってもらって構わないわ｣
『...お優しいんですね』
会話のキリが良くなったので、私はトロッコから降りて子供たちを浮かせて乗せていく。
さっきより瓦礫が落ちてくるのが大きくなってきて、且つ多い。麦わらさんの仲間は大丈夫なのか？
扉が閉まる警告音がなり始めた。でも彼らなら、きっと間に合うはずだ。
｢おい！何やってる！麦わら屋の一味！全員急いで乗れ！シーザーに逃げられたら作戦はここで失敗だぞ！｣
｢全員じゃねェ！まだ仲間が来てねェ！｣
『海軍も誘拐された子供たちも全員ではないようです。＿＿＿待ちましょう』
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作者名：つんてん | 作成日時：2022年8月25日 23時
