三十六話 ページ11
『＿＿＿＿
キャプテンが鬼哭を抜く。
すると1つの気配と声がした。
｢飼い犬に噛まれるというのはこのことだな、ロー。ガキのいたずらにしてはやりすぎだ。Aも裏切ったか。ココには居ないようだが、あとで消しに行くとしよう｣
来た...ヴェルゴ。
キャプテンとヤツの関係は全く知らないが、何かしらの因縁はありそうだ。
｢心臓を握り潰して殺すのは簡単だがそんなことはしない。じっくりたっぷりいたぶって、その生意気な顔に思い出させてやる。恐怖ってやつをな...あの時のように！｣
始まった。
ヴェルゴの武装色は上位クラス。油断は禁物。
でも彼らの戦闘に手は出せない。キャプテンの指示がある限り。
私が動いていいのはキャプテンの命が危ぶまれた時のみ。
私は息を飲み、2人の戦闘を見ることにした。
＿＿＿＿＿＿＿＿
正直、戦闘スタイル、心臓が相手側。
劣勢にならないわけがない。
心臓だけでも取り返したいところだが...私も巻き込まれるのは目に見えてる。出来るだけ私の登場は遅くするべきだ。
＿＿＿1つの気配。...あれは！
｢取り込み中なんだが、今じゃいかんかね？スモーカー中将｣
｢視界に入るゴミクズを眺めてるのもイヤなモンだ｣
今度は白猟さんとヴェルゴの戦いが始まった。
2人の会話のヴェルゴの言葉は上司として終わっていると思う。
ジョーカーの犬の時点で仕方ないのかもしれないが。
...少々不味いかもしれない。
白猟さんがやられた。まだ意識はある。キャプテンの心臓もまだ戻ってない。
どうすればいい...？私が参戦してもいいのか？
白猟さんが立った。そして先程とは違う戦闘スタイルで挑み始めた。
どういうこと？白猟さんらしくない。
キャプテンに視線を向けると、視線が交わった。
まるで“大丈夫”と言われているかのように。
次の瞬間、金属が地面に落ちる音とドタッと人が倒れる音がした。
そして、足音が1回聞こえた。
｢スモーカー、俺の心臓...確かに返してもらった｣
『...やった！』
その為に...これはクルーとして感謝しなければ。
｢コレで終わりだ...ヴェルゴ、さん｣
｢やっとあるべき上下関係を思い出したか｣
｢そう思ってろってことだ！いつまでもそのイスに座ってられると思うなよ！お前ら！聞こえてんだろ！ジョーカー！｣
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 171人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：つんてん | 作成日時：2022年8月25日 23時
