信じるもの【トラファルガー・ロー】 (ページ23)

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ハートの海賊団の日常③ ページ23

3人には覇気の基本を教えたのでとりあえず切り上げ、あの島を離れることとした。

ここは冬島のラダーヴ島。

冬島だけど、ここの今の季節は夏らしい。その上、ここの夏は平均20℃で暑くもなく寒くもなくで最高。

またこの島はとても栄えており、西を中心として商店街や家など街が広がっている。
逆に東は海賊が来たりなど治安はいいとは言えないらしい。

自分達は海賊だなんて言ったら大事になりそうなのでそれは言わないようにしようと皆で口を合わせた。

島の滞在予定期間は1ヶ月。ここの島民と穏和に行かなければ。

＿＿＿＿

ラダーヴ島西部“ドーリミ街”

この島で最も栄えているドーリミ街。オレンジレンガの建物が建ち並び、御伽噺に出てきそうな風景。だが自然豊かであって、人々も活気がある。

私は気になった店に見境なく入る。3軒目あたりで店員さんに声を掛けられた。

｢おっお嬢さん見ない顔だね、最近来たのかい？｣

『昨日からここに滞在させてもらっている旅人です。この島は栄えてて島民の方も皆楽しそうで素晴らしいですね』

｢そんな事言ってくれるなんて嬉しいよ、ただ最近事件というか...まぁちょっと困ってるのさ｣

『どうされたのですか？』

私が解決するなんて微塵も思ってないが、悪い印象は与えたくないのでとりあえず聞いてみる。少し気になるのもあるが。

｢最近、3日に1回夜に子どもが攫われるのさ。
ここら辺は夜でもやってる店は多いから路地裏とかに行かなければ少なからず人の目はある筈なんだ。だけど、必ず攫われてしまう...こんな事があるから夜に店をやっても人影は少なくなっちまったよ｣

『子どもだけ...その子どもはずっと行方不明なんですか？』

｢それがな、朝には戻ってくるのさ。
だけどその子どもは親のことを知らない人だと言うんだ。友達とかはちゃんと友達の認識してるのにな...全く奇妙なモンだ｣

『それは親からするととても苦痛ですね...』

｢あァ...アンタも気をつけなよ。子どもじゃないが攫われる可能性だってあるかもしれない｣

『ご忠告感謝します』

愉快犯なのか？結構趣味悪いな...
親の記憶を抜いてるってことはそういう能力を持って居るのか？
人でない可能性もありうる。そのような環境がある可能性だってある。

正直面倒事に突っ込みたくは無いのでこの話は一旦忘れる事にした。