夜永唄 (ページ3)

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どんなに大橋の心が俺に無くとも弱り切った今の俺から、そして俺らの夢とその夢の先のためにも大橋は絶対に離れていかないし、もし仮に俺から大橋が離れていこうとするならばその度に例えどんなに卑怯で自己中心的で最低だと軽蔑されようが俺は大橋が離れていかないように繋ぎ止めるためなら何度だって同じことを繰り返すだろう。

そう、大橋という”存在”が離れていかなければいいのだ。

自分でもだいぶ歪んでるという自覚はある。

グループ結成から少し経ってから｢大橋が恋愛対象として好きだ｣と最初に自覚した時は大橋と特別どうこうなりたいとは思わなかった。

グループ組む前からシンメとして活動したりラジオとかで元々一緒にいる事が多かった上にメンバーになって2人で配信の仕事が決まったり、十分楽しくて幸せだったし俺らの夢のためにも今の関係が十分でそばに居られるだけで良いと思ってた。

そもそも、今までの大橋に対しての俺の態度といい、男同士なんだからどうこうなること自体ないって諦めてたのもある。

だから、そのうち大橋に好きな女の子や彼女が出来れば応援してやろうと思ってたしそうすれば自然に諦めがつくだろうって。

あの日まではそう思ってた。

そう、ちょうど金木犀の香りが感じられるようになったあの日から俺の気持ちも俺らの関係も少しずつ変わってしまった。

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